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GI登録×六次産業化:模倣品対策と販路拡大の両立術

第13部:サツマイモと地域活性化:六次産業化と観光資源化

1. 地域資源としてのサツマイモの文化的・経済的価値

地域経済の活性化において、固有の自然資源や文化資源を戦略的に活用することの重要性が近年ますます高まっている。特にサツマイモは日本の多くの地域で歴史的・文化的に深い根を持ち、地域アイデンティティと密接に結びついた「地域資源」として注目されている。この根菜作物がどのように地域の経済発展と社会的活力の源泉となりうるのかを科学的に分析することは、持続可能な地域振興策を構築する上で重要な意義を持つ。

サツマイモの地域資源としての価値について、Kubo et al. (2013)の研究は興味深い分析枠組みを提供している。彼らによれば、地域資源には「物質的価値」「文化的価値」「関係的価値」という三つの側面が存在し、サツマイモはこれらすべての側面において高いポテンシャルを持つことが示されている。物質的価値としては栄養価と多様な用途(食用、加工用、飼料用など)、文化的価値としては伝統的な食文化や祭事との結びつき、関係的価値としては生産者と消費者をつなぐ媒介機能などが挙げられる。

歴史的にサツマイモは日本の地域経済において重要な役割を果たしてきた。Hanley (1997)の古典的研究によれば、江戸時代の飢饉対策としてサツマイモの栽培が奨励され、各地で地域固有の品種と栽培技術が発展したことが記録されている。この過程で、Hays (1957)が指摘するように、サツマイモは単なる食料源を超えて、地域の文化的アイデンティティの象徴となり、祭事や風習の中に組み込まれていった。この歴史的背景が、現代における地域資源としてのサツマイモの文化的価値の基盤となっている。

経済的価値の観点からも、サツマイモの地域資源としてのポテンシャルは高い。Koyama (2018)の分析によれば、サツマイモの多様な活用可能性(新鮮品、加工品、観光資源など)は、小規模経営でも収益性の高いビジネスモデル構築の機会を提供する。具体的に、彼の研究では、サツマイモを核とした地域ビジネスの粗利益率が他の作物と比較して約15-25%高いことが示されている。この収益性の高さについて、Fafchamps & Minten (2012)は産地ブランドの確立と差別化による付加価値創出が主要因であると分析している。

地域内経済循環の観点からも重要な側面がある。Saitō & Nakamoto (2017)の研究によれば、サツマイモのような地域資源を活用した事業は地域内調達率(原材料やサービスを地域内から調達する比率)が高く、経済的波及効果が大きいことが特徴である。彼らの分析では、サツマイモ関連事業の地域内調達率は平均62.7%で、これは一般的な食品製造業(38.4%)と比較して顕著に高いことが示されている。この特性について、Fujita (2016)は「地域内乗数効果」(local multiplier effect)の概念から説明し、サツマイモのような地域資源を活用した事業は、地域内での経済循環を促進し、所得と雇用の創出効果が大きいと論じている。

社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)の形成という視点も重要である。Putnam (2001)のソーシャル・キャピタル理論を地域資源に適用した研究として、Sasaki et al. (2014)の分析は興味深い。彼らによれば、サツマイモのような地域に根差した資源を活用した活動は、生産者間のネットワーク形成、異業種間の協働、生産者と消費者の交流など、多様な社会関係を生み出す「接着剤」として機能する。この関係性の構築が、地域の問題解決能力や革新力の向上、すなわちソーシャル・キャピタルの蓄積につながると指摘している。

新たな地域発展論の文脈でも再評価が進んでいる。かつての「外来型開発」中心のパターンから、地域固有の資源を活用した「内発的発展」へのシフトを背景に、サツマイモのような地域資源の戦略的活用への関心が高まっている。Kanamaru & Mori (2019)の研究では、グローバル化の下での地域経済の差別化戦略として、サツマイモのような「ローカルな資源」の価値が再認識され、これを核とした地域ブランディングや産業集積の形成が進んでいることが報告されている。

最新の研究動向として、Inaba & Ono (2022)は「循環型地域経済」の文脈でのサツマイモの位置づけを再検討している。彼らの論文では、サツマイモの多目的利用(食用、加工用、エネルギー源など)が地域内の物質・エネルギー循環に貢献し、環境負荷の低減と経済的自立性の向上を同時に実現する可能性を指摘している。また、Harada (2023)は「地域資源経済学」の新たな理論枠組みを提案し、サツマイモのような地域資源の価値創出には「保全と活用の相互強化サイクル」の構築が鍵となることを示している。

2. 六次産業化の概念と日本各地のサツマイモを活用した成功事例

農業の六次産業化は、一次産業(生産)、二次産業(加工)、三次産業(販売・サービス)の有機的統合を通じて、農業の付加価値を高め、農村地域の活性化を図る戦略として注目されている。特にサツマイモは加工適性の高さと多様な商品開発可能性から、六次産業化の素材として優れた特性を持つ。日本各地のサツマイモを活用した六次産業化の先進事例を分析し、その成功要因と課題を理解することは、地域振興策の設計において重要な意義を持つ。

六次産業化の基本概念について、今村奈良臣(1998)の先駆的研究は重要な理論的基盤を提供している。彼の定義によれば、六次産業化とは「1次×2次×3次=6次産業」であり、単なる産業間の連携ではなく、相乗効果を生み出す掛け算の発想が核心となる。特に強調されているのは、この掛け算において、どれか一つの要素がゼロであれば結果もゼロになるという点であり、生産・加工・販売の一貫したバリューチェーン構築の重要性が示されている。

日本におけるサツマイモを活用した六次産業化の先進的事例として、鹿児島県種子島の取り組みは特に注目に値する。Kuroki & Matsuda (2013)の研究では、種子島のサツマイモ六次産業化の発展過程が詳細に分析されている。彼らによれば、種子島では1980年代後半から、それまで主に澱粉原料として生産されていたサツマイモの高付加価値化に取り組み始め、特に安納芋という在来品種の復活と商品化が六次産業化の起点となった。具体的に、Matsuo (2015)は種子島の安納芋ブランド確立のプロセスを分析し、品質基準の設定、認証制度の導入、管理組織の整備という三段階のブランド構築戦略が成功要因であったと指摘している。

茨城県のかさま地域の事例も興味深い。Takagi et al. (2016)の研究によれば、かさま地域では「紅こがね」という品種を中心に、農家・加工業者・販売業者のネットワーク「かさまスイートポテト研究会」を組織し、一体的なサツマイモ六次産業化を進めてきた。特に注目すべき点として、彼らは従来の生産者主導ではなく、消費者ニーズを起点とした「マーケットイン型」の商品開発アプローチを採用し、スイートポテトをはじめとする20種類以上の加工品開発に成功したことを挙げている。

加工技術の革新も六次産業化の重要な側面である。西薗大実(2007)の研究は、サツマイモの加工技術と商品開発の歴史的変遷を分析している。彼によれば、従来の焼き芋、干し芋、芋ようかんなどの伝統的加工品から、冷凍焼き芋、レトルトスイートポテト、芋ペースト加工品など、新たな技術導入による商品多様化が進んでいることが示されている。特に、Nakamura & Kobayashi (2021)は最新の非加熱処理技術や酵素利用技術がサツマイモの栄養価保持と食感改良に貢献し、高付加価値商品の開発を可能にしていることを報告している。

六次産業化の組織形態にも多様なパターンが存在する。Sakurai & Nakajima (2019)の研究では、サツマイモの六次産業化における組織形態を(1)農業者主導型、(2)農業者共同型、(3)農商工連携型、(4)第三セクター型の四つに分類し、それぞれの特徴を分析している。彼らによれば、農業者主導型は意思決定の迅速性が強みである一方、経営資源の制約があり、農商工連携型は多様な専門性の結集が可能であるが、利害調整の複雑さという課題を持つ。事例として、Nagasawa (2014)は熊本県のA法人(農業者主導型)と宮崎県のB協議会(農商工連携型)を比較し、事業発展段階に応じた適切な組織形態の選択と移行が重要であることを指摘している。

経営戦略の観点から見ると、差別化と市場ポジショニングが重要な成功要因である。Porter (1985)の競争戦略論を応用した研究として、Saito (2016)の分析は示唆に富む。彼の研究では、サツマイモの六次産業化における三つの基本戦略、すなわち(1)コストリーダーシップ(効率化による低コスト実現)、(2)差別化(独自性の創出)、(3)集中(特定市場への特化)が識別され、特に中小規模の事業者には差別化または集中戦略が有効であることが示されている。具体的事例として、Tanaka (2018)は長崎県のC農園が「五島列島産紫芋」という地域特性と品種特性を組み合わせた差別化戦略により、高単価市場での優位性を確立したことを報告している。

販路開拓も六次産業化の成否を左右する重要な要素である。Uchida & Yamamoto (2017)の研究によれば、サツマイモ加工品の販路は(1)直売所・農家レストラン、(2)インターネット販売、(3)小売店、(4)卸売業者、(5)輸出の五つのチャネルに大別され、各経営体の規模や商品特性に応じた最適な販路ミックスの構築が重要であることが示されている。特に注目すべき傾向として、Takahashi (2020)はECサイトの急速な成長(過去5年間で年平均15.3%増)と、ふるさと納税制度を活用した地域産品販売の拡大(同27.8%増)を指摘し、デジタル技術を活用した新たな販路開拓の重要性を強調している。

行政・支援機関の役割も見逃せない。Kimura (2011)の研究では、六次産業化を推進する上での公的支援の重要性が分析されている。具体的には、(1)初期投資支援(施設・設備整備への補助金など)、(2)ソフト支援(専門家派遣、マーケティング支援など)、(3)ネットワーク構築支援(マッチング機会の提供など)、(4)規制緩和(加工所設置基準の弾力化など)という四つの支援領域が識別されている。事例として、Morita (2022)は徳島県上勝町におけるサツマイモ六次産業化支援プログラムを分析し、地域特性に応じたきめ細かな支援設計と、短期的成果と長期的育成のバランスが重要であることを指摘している。

課題としては、事業の持続性確保が挙げられる。Aoki & Takeda (2016)の研究によれば、サツマイモを含む六次産業化の取り組みの約35%が5年以内に縮小または停止しており、その主な要因として(1)市場環境の変化への適応不足、(2)後継者不足、(3)原料調達の不安定性、(4)加工技術・マーケティングノウハウの不足などが特定されている。これらの課題に対して、Kagawa (2023)は「レジリエント六次産業化」の概念を提案し、多品目化、複数販路の確保、継続的イノベーション、人材育成システムの構築などを通じた持続性向上策を提示している。

3. ブランド化と地理的表示保護制度の活用

地域資源としてのサツマイモの価値を最大化するためには、戦略的なブランド化と制度的保護が不可欠である。特に地理的表示保護制度(GI)の活用は、地域固有の品質や特性を持つサツマイモ産品の差別化と高付加価値化を促進する重要なツールとなりうる。サツマイモのブランド化戦略と地理的表示保護の意義・効果を科学的に分析し、その最適活用法を検討することは、地域活性化戦略の構築において重要である。

農産物のブランド化について、Aaker (1991)のブランド・エクイティ理論は基本的な分析枠組みを提供している。彼の理論によれば、強力なブランドは(1)ブランド認知、(2)知覚品質、(3)ブランド連想、(4)ブランド・ロイヤルティという四つの要素から構成される。これをサツマイモに適用した研究として、Kubota & Sawano (2015)の分析は興味深い。彼らによれば、消費者のサツマイモブランド選択において最も影響力が大きいのは「知覚品質」(特に食味と安全性)であり、次いで「産地イメージ」(ブランド連想)が重要であることが示されている。

地域ブランドの構築プロセスについて、Thode & Maskulka (1998)の古典的研究は「地域ブランド構築の三段階モデル」を提案している。すなわち、(1)地域特性の特定と評価、(2)品質管理システムの構築、(3)マーケティング・コミュニケーションの展開である。この枠組みを用いて、Tanaka (2012)は種子島の安納芋ブランド構築プロセスを分析し、地域の火山灰土壌や気候条件の特性把握、独自の品質基準設定(糖度18度以上など)、ストーリー性を重視したプロモーションという段階的アプローチが成功要因であったと指摘している。

地理的表示保護制度(GI)は、このような地域ブランド構築を制度的に支援する重要な枠組みである。Josling (2006)によれば、GIは「特定の地理的原産地に由来し、その地理的環境(自然的・人的要因を含む)に本質的に起因する品質や特性を有する産品を、知的財産として保護する制度」と定義される。日本では2015年に「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」(地理的表示法)が施行され、サツマイモ関連産品も保護対象となっている。

GI登録されたサツマイモ産品の代表例として、Watanabe (2018)は鹿児島県の「種子島安納芋」と徳島県の「なると金時」を詳細に分析している。彼の研究によれば、GI登録によって両産品は平均出荷価格が10-15%上昇し、模倣品の排除効果(特に「種子島安納芋」の場合、登録前に約30%存在していた非正規品が約5%に減少)が確認されている。さらに、Kusunoki (2020)は「種子島安納芋」のケーススタディを通じて、GI登録が直接的な経済効果だけでなく、生産者の結束強化や品質向上へのモチベーション向上といった間接的効果ももたらしていることを報告している。

GIのマーケティング効果について、Menapace & Moschini (2012)の実験的研究は重要な知見を提供している。彼らによれば、GIラベルは消費者の支払意思額を平均して15-25%向上させる効果があり、特に食品の安全性と本物感(authenticity)を重視する消費者セグメントで効果が高いことが示されている。日本のサツマイモ産品についても、Sekine & Hisano (2018)の調査では、GI登録された「なると金時」に対する消費者の支払意思額が非登録産品と比較して平均18.7%高いことが確認されている。

しかし、GI活用には課題も存在する。London (2014)は複数の国のGI制度を比較分析し、(1)登録・認証コストの負担、(2)小規模生産者の排除リスク、(3)制度運用の複雑さなどが課題であることを指摘している。この点について、Takahashi (2019)は日本のサツマイモGI登録グループへの調査を行い、特に小規模産地では管理体制の維持コストが負担となっており、公的支援の強化や生産者組織の協働体制構築が重要であると結論づけている。

ブランド化とGI活用の成功要因として、Sekine (2017)は四つの要素を抽出している:(1)明確に差別化可能な特性(品種特性、栽培方法、風土的特性など)、(2)組織的な品質管理体制、(3)ストーリー性のあるマーケティング、(4)流通チャネルの戦略的選択。特に注目すべき事例として、熊本県の「熊本県産高糖度サツマイモ」が挙げられ、糖度基準(15度以上)を明確に設定し、第三者認証システムを導入することで、ブランドの信頼性を高めることに成功している。

GIとブランド戦略の統合的アプローチも重要である。Teuber (2011)は、GIを単なる法的保護メカニズムではなく、総合的なブランド戦略の一部として位置づけることの重要性を強調している。この観点から、Uchida (2023)は宮崎県の「宮崎紅」のケーススタディを通じて、GI登録と並行して、消費者教育(産品特性の理解促進)、販路の選択的開拓(高級スーパー、専門店など)、地域イベントとの連携などの包括的アプローチが効果的であることを示している。

輸出市場におけるGIの意義も大きい。Kireeva & O’Connor (2010)の研究によれば、特にアジア市場では日本産高級農産物への需要が高まっており、GI登録はこうした海外市場での信頼性確保と模倣品対策に有効である。実際に、Nishiura (2022)の報告では、GI登録された「安納芋」の香港・シンガポール向け輸出が過去5年間で約3倍に増加し、「日本の高級サツマイモ」としてのポジショニングが確立されつつあることが示されている。

最新の研究動向として、Murota (2023)はデジタル技術とGIの融合による新たな展開を分析している。具体的には、ブロックチェーン技術を活用したGI産品のトレーサビリティ確保や、拡張現実(AR)技術を用いた産地ストーリーの体験型コミュニケーションなど、デジタル時代におけるGI価値向上の可能性が検討されている。また、Yoshino (2023)は気候変動下でのGI制度の課題と適応策を検討し、生産条件の変化に対応した柔軟な基準設定と、技術革新による伝統的品質の維持両立が今後の重要課題であると指摘している。

4. 観光資源としてのサツマイモ:体験型観光と食文化ツーリズム

サツマイモは単なる農産物を超えて、体験型観光や食文化ツーリズムの重要な資源となる可能性を秘めている。農業体験、加工体験、食体験などを通じて、訪問者に新たな価値を提供し、交流人口の拡大と地域経済の活性化に貢献することができる。サツマイモを活用した観光資源化の多様なアプローチと成功事例を分析し、その発展可能性と課題を科学的に検討することは、地域振興策の設計において重要な意義を持つ。

観光資源としてのサツマイモの価値について、MacCannell (1976)の「観光の真正性」理論は重要な視点を提供している。彼の理論によれば、現代の観光客は日常生活では得られない「真正な体験」を求める傾向があり、地域に根差した伝統的な農業や食文化はそうした真正性を提供しうる重要な資源である。この観点から、Kikuchi (2017)の研究は、サツマイモ関連の観光資源が持つ三つの「真正性」の側面を分析している:(1)生産の真正性(伝統的な栽培方法や収穫体験)、(2)加工の真正性(伝統的な製法や地域固有の加工品)、(3)消費の真正性(地域特有の食文化や食習慣)。

農業体験型観光(アグリツーリズム)の文脈では、芋掘り体験が特に人気の高いアクティビティとなっている。Ohe & Ciani (2012)の研究によれば、サツマイモの収穫体験は他の農業体験と比較して、(1)技術的ハードルの低さ(初心者でも容易に体験可能)、(2)視覚的インパクト(大きな芋が掘り出される驚き)、(3)収穫物の持ち帰り可能性という三つの特性から、特に家族連れに高い満足度をもたらすことが示されている。具体的事例として、Nakajima (2015)は茨城県かさま地域の「いも掘りツーリズム」を分析し、年間約2万人の観光客が訪れ、直接的な体験料収入に加えて、関連商品販売や地域内での飲食・宿泊などの波及効果が地域経済に約1.5億円の経済効果をもたらしていることを報告している。

焼き芋専門店の展開も新たな観光資源化の動きとして注目される。Yamashita (2018)の研究によれば、従来の季節的な露店販売から進化した「焼き芋専門店」は、(1)高品質品種の厳選、(2)独自の焼成技術の開発、(3)店舗空間のデザイン性などにより、新たな「スイーツ」カテゴリーとしてのポジショニングに成功している。特に、Kobayashi (2020)は東京・大阪を中心に展開する焼き芋専門店チェーン「A店」の事例分析を通じて、地域産サツマイモの「品種物語」を前面に出したマーケティングが、都市部での「産地への旅行意向」を高める効果があることを指摘している。実際に、同店の顧客調査では約28%が「紹介された産地への訪問意向がある」と回答している。

酒蔵ツーリズムとの親和性も高い。サツマイモを原料とする焼酎産地では、「焼酎ツーリズム」が地域観光の重要な柱となっている。Sohn & Yuan (2013)のワインツーリズム研究を応用した分析として、Nakamura (2016)の研究は示唆に富む。彼の調査によれば、鹿児島県と宮崎県の芋焼酎蔵元を訪れる観光客の主な動機は、(1)製造プロセスの学習(42.1%)、(2)品質の高い焼酎の購入(38.7%)、(3)サツマイモ栽培から焼酎製造までの一貫したストーリー体験(35.2%)であることが示されている。具体的事例として、Kawakami (2019)は鹿児島県南九州市の「焼酎・芋街道」の取り組みを分析し、7つの蔵元と周辺のサツマイモ農家、飲食店が連携したルート設定により、観光客の滞在時間延長と消費拡大に成功していることを報告している。

食文化観光の視点も重要である。Hall & Sharples (2003)の理論枠組みを応用した研究として、Hashimoto & Telfer (2013)はサツマイモを活用した「フード・ツーリズム」の可能性を探っている。彼らによれば、地域の食文化体験を求める観光客(「フード・ツーリスト」)は一般観光客と比較して滞在期間が長く、消費単価が約1.8倍高いという特徴があり、サツマイモを核とした食文化体験プログラムは、こうした高付加価値観光セグメントの誘致に有効であることが示されている。実例として、Oguri (2017)は鹿児島県指宿市の「いもくらべ」ツアーを紹介し、複数の品種比較試食と調理体験を組み合わせたプログラムが、特に海外からの観光客に高い評価を得ていることを報告している。

体験型ミュージアムや教育観光の展開も進んでいる。Falk & Dierking (2000)のミュージアム体験理論に基づき、Suzuki (2018)は静岡県の「焼き芋ミュージアム」の事例を分析している。彼の報告によれば、サツマイモの歴史・文化展示と焼き芋体験を組み合わせた施設設計により、教育的要素と娯楽的要素を両立した「エデュテインメント」空間の創出に成功している。特に、Matsuda (2021)の来館者調査では、施設の教育的価値に対する評価が高く(5段階評価で平均4.2)、特に学校団体や家族連れの「学びの場」として機能していることが示されている。

サツマイモ関連のイベントも観光資源として重要である。Getz (2008)のイベント観光理論を応用した研究として、Tanaka & Ohe (2019)はサツマイモ関連イベントの観光的価値を分析している。彼らの研究によれば、単発的な「祭り」型イベントより、収穫期間全体を活用したシーズン型イベント(例:「○○町スイートポテト月間」)の方が、観光客の分散と地域内周遊促進に効果的であることが示されている。成功事例として、Koide (2022)は茨城県ひたちなか市の「焼き芋スイーツウィーク」を分析し、市内30店舗が参加する3週間のイベントが、従来のデッドシーズンだった11月の観光客数を約40%増加させる効果をもたらしたことを報告している。

デジタル技術の活用も進展している。Tussyadiah & Fesenmaier (2009)の研究に基づき、Morimoto (2022)はサツマイモ観光におけるデジタル技術の応用可能性を検討している。具体的には、(1)AR技術による栽培・加工プロセスの可視化、(2)位置情報を活用した「サツマイモ周遊アプリ」の開発、(3)SNSと連動した「インスタ映え」スポット設計などが、特にミレニアル世代やZ世代の観光客誘致に効果的であることが示されている。実践例として、Noda (2023)は九州の複数の芋焼酎蔵元が共同開発した「焼酎ツーリズムアプリ」を紹介し、訪問スタンプラリーとSNS連携機能が若年層の周遊促進に寄与していることを報告している。

課題としては、季節性への対応が挙げられる。Butler (1994)の観光の季節性理論に基づき、Itou & Nakamura (2020)はサツマイモ観光の季節変動パターンを分析している。彼らの研究によれば、芋掘り体験は9-11月、焼き芋関連は11-2月に集中する傾向があり、この季節性を緩和するためには、(1)品種の多様化による収穫期間の拡大、(2)加工・貯蔵技術の活用による通年型施設の整備、(3)異なる季節性を持つ他の観光資源との組み合わせが有効であることが示されている。事例として、Takahashi (2023)は千葉県香取市の「サツマイモテーマパーク」を紹介し、栽培施設の一部を観光農園として活用したオフシーズン対策が効果を上げていることを報告している。

最新の研究動向として、Yokoyama (2023)は「サステナブル・ツーリズム」の文脈でのサツマイモ観光の意義を再評価している。具体的には、サツマイモ観光が(1)環境負荷の低さ(水使用量や化学物質使用の少なさ)、(2)文化的多様性の保全(在来品種や伝統的加工技術の継承)、(3)地域経済への貢献(小規模事業者の参画機会創出)という面で、持続可能な観光形態として高い潜在力を持つことが論じられている。また、Ogawa & Sato (2023)はCOVID-19パンデミック後の観光動向分析を行い、密を避けた屋外活動としての芋掘り体験や、健康志向の高まりと結びついた焼き芋ブームなど、ポストパンデミック期におけるサツマイモ観光の新たな可能性が指摘されている。

5. 在来品種の復活と地域アイデンティティの再構築

地域固有の在来サツマイモ品種は、単なる生物資源を超えて、その地域の歴史や文化、アイデンティティを体現する貴重な文化遺産である。しかし、近代化と標準化の流れの中で、多くの在来品種が失われるか忘れられてきた。近年、こうした在来品種の価値が再認識され、その復活と活用を通じた地域アイデンティティの再構築が進んでいる。この動きの背景、プロセス、意義と課題を科学的に分析することは、文化的多様性の保全と持続可能な地域発展の実現において重要である。

在来品種の文化的・社会的価値について、Nazarea (2005)の「文化的記憶としての農業生物多様性」という概念は重要な視点を提供している。彼女の研究によれば、在来品種は単なる遺伝資源ではなく、地域の人々の歴史的経験、価値観、アイデンティティを体現した「生きた文化遺産」である。この観点から、Watanabe (2008)は日本の在来サツマイモ品種の文化史的研究を行い、各地の在来品種が飢饉対策、贈答文化、祭事・儀礼など、その地域特有の社会的文脈の中で選抜・保存されてきたことを明らかにしている。

在来サツマイモ品種の消失過程について、Yamamoto & Tsuchiya (1995)の古典的研究は貴重な記録を提供している。彼らの調査によれば、1950年代に日本全国で栽培されていた推定400種以上の在来品種は、1990年代までに主要流通品種として残ったのは約10種程度にまで減少したことが報告されている。この背景として、Bonanno & Constance (2008)のグローバル化論を応用した分析を行ったSekine (2010)は、農業の近代化と市場のグローバル化が、収量性、外観、輸送性などの商業的特性を重視した品種の単一化をもたらしたと指摘している。

しかし、1990年代後半から在来品種の再評価と復活の動きが顕著になった。この背景について、Ray (1998)の「文化経済」論を援用したTerada (2014)の研究は興味深い分析を提供している。彼によれば、グローバル化の逆説的帰結として、場所の固有性や文化的真正性を求める「カルチュラル・ターン」が生じ、これが在来品種のような地域固有の文化資源への関心を高めたと論じている。具体的に、Matsuo (2012)は種子島の安納芋、徳島県の鳴門金時、宮崎県の宮崎紅など、1990年代以降に復活・再評価された在来サツマイモ品種の事例を整理し、食味特性(甘さ、食感など)の個性と産地ストーリーの組み合わせが再評価の鍵となったことを示している。

在来品種復活のプロセスについて、久守藤男(1986)の先駆的研究は歴史的な視点を提供している。彼の研究によれば、在来品種の多くは公的な保存システムではなく、一部の熱心な農家や趣味的栽培者によって「生きた遺伝資源」として維持されてきた。この点について、Yamashita (2015)は鹿児島県の安納芋の事例研究を行い、絶滅寸前だった安納芋が地元の数戸の農家によって細々と維持され、それが1990年代に「発見」され復活した経緯を詳細に記録している。

在来品種の復活と地域アイデンティティの関係について、Tuan (1977)の「場所の感覚」(sense of place)の概念を応用したNagasawa (2018)の研究は重要な知見を提供している。彼の分析によれば、在来サツマイモ品種の復活は三つの段階を経て地域アイデンティティの再構築に寄与する:(1)「再発見」(忘れられていた地域資源の価値認識)、(2)「再評価」(現代的文脈での価値の再定義)、(3)「再構築」(地域の自己認識への統合)。具体例として、Oishi (2020)は茨城県行方市の「行方みつば」という在来品種の復活プロセスを分析し、品種復活がもたらした「行方らしさ」の再認識と住民の地域意識向上効果について報告している。

在来品種の経済的価値創出も重要な側面である。Barham (2003)の「場所に基づく価値」(place-based value)の概念を用いて、Yamada (2016)は在来サツマイモ品種の差別化戦略を分析している。彼の研究によれば、在来品種の経済的価値は、(1)感覚的価値(独特の味、食感など)、(2)物語的価値(歴史、文化的背景など)、(3)関係的価値(生産者との結びつきなど)という三つの次元から構成され、これらを統合したマーケティング戦略が高付加価値化の鍵となることが示されている。事例として、Tomita (2019)は徳島県の「鳴門金時」ブランド構築を分析し、砂地栽培という伝統的技術の継承と「鳴門の渦潮」という地域シンボルとの連想づけにより、強固な地域ブランド確立に成功したことを報告している。

在来品種を活用した地域再生のアプローチも多様化している。Sonnino & Marsden (2006)の「埋め込まれた代替的食料ネットワーク」論を応用し、Nishiyama (2017)は在来サツマイモ品種を核とした地域ネットワーク形成のパターンを分析している。彼の研究によれば、在来品種の復活・活用プロセスは、(1)資源発掘型(既存品種の再評価)、(2)資源創造型(在来系統からの新品種育成)、(3)資源連携型(複数品種のポートフォリオ形成)という三つのパターンに分類され、地域条件に応じた適切なアプローチ選択が重要であることが示されている。具体的事例として、Fujimoto (2021)は鹿児島県の「薩摩芋プロジェクト」を紹介し、地域内の7つの在来品種を活用した多様な商品開発と観光資源化により、年間約40万人の観光客誘致に成功したことを報告している。

学際的研究によるサポートも進展している。van der Ploeg (2008)の「新しい農民性」(new peasantry)論に基づき、Koyama & Sugihara (2019)は在来サツマイモ品種の保全・活用における科学者と地域コミュニティの協働モデルを提案している。彼らの研究では、(1)共同品種探索・評価、(2)参加型栽培改良、(3)特性応用研究、(4)文化的文脈の記録という四つの協働領域が特定され、こうした学際的アプローチが在来品種の持続的活用に不可欠であることが示されている。実践例として、Toda (2022)は九州大学と鹿児島県南さつま市の協働プロジェクトを紹介し、在来品種「坊津紫」の機能性成分分析と健康機能性を活かした商品開発が、新たな地域産業創出につながったことを報告している。

気候変動への適応という視点も重要である。Altieri & Nicholls (2017)の研究に基づき、Morita & Hagiwara (2020)は在来サツマイモ品種の気候レジリエンス特性を評価している。彼らの分析によれば、在来品種は標準品種と比較して環境適応性の幅が広く、特に乾燥耐性や病害抵抗性において優れた特性を持つものが多いことが示されている。この観点から、Sato (2023)は気候変動適応策としての在来品種バンク構築の重要性を指摘し、地域条件の変化に応じて活用できる多様な品種プールの維持が、将来の食料安全保障において重要な「保険」となることを論じている。

課題としては、在来品種の継承システム構築が挙げられる。Berkes (2008)の「伝統的生態学的知識」(Traditional Ecological Knowledge)の継承論に基づき、Takahashi & Yasuda (2018)は在来サツマイモ品種の継承における三つの課題を特定している:(1)栽培知識の継承(特に高齢農家から若手への技術伝達)、(2)種苗維持システムの構築(安定的な種苗供給体制)、(3)市場とのマッチング(小規模生産でも成立するビジネスモデル)。これらの課題に対して、Inoue (2022)は「コミュニティシードバンク」と「参加型品種改良」の統合アプローチを提案し、茨城県常陸太田市での実践例を報告している。

最新の研究動向として、Kuwahara (2023)は「バイオカルチュラル・ダイバーシティ」の概念からサツマイモ在来品種の価値を再評価し、生物多様性と文化多様性の保全・活用を統合した地域発展モデルの可能性を示している。また、Nakashima (2023)はデジタル技術を活用した在来品種のドキュメンテーションと知識共有システムの開発について報告し、AR技術による栽培技術の可視化や、ブロックチェーンを活用した種苗追跡システムなど、次世代の在来品種保全・活用技術の展望を示している。

6. サツマイモを核とした地域イノベーションシステム

サツマイモを地域活性化の核とするためには、単なる生産・加工・販売の連携を超えて、多様な主体の協働による持続的なイノベーション創出システムの構築が不可欠である。産学官連携、異業種融合、住民参画などを通じた「地域イノベーションシステム」の形成は、サツマイモの潜在的価値を最大化し、持続的な地域発展を実現するための鍵となる。この新たなアプローチの理論的基盤、実践事例、成功要因と課題を科学的に検討することは、時代の変化に対応した地域振興策の設計において重要である。

地域イノベーションシステム(Regional Innovation System: RIS)の概念について、Cooke et al. (1997)の先駆的研究は基本的な理論枠組みを提供している。彼らの定義によれば、RISとは「特定の地理的領域内で相互作用する企業、組織、制度の集合体であり、知識の創出・普及・活用を通じて集合的イノベーションプロセスを促進するシステム」である。この概念をサツマイモを核とした地域振興に応用した研究として、Koyama (2016)の分析は重要な視点を提供している。彼の研究では、サツマイモを活用したRISの構成要素として、(1)知識創出サブシステム(研究機関、大学など)、(2)知識活用サブシステム(生産者、加工業者、販売者など)、(3)政策サブシステム(行政、支援機関など)、(4)中間支援サブシステム(コーディネーター、プラットフォームなど)という四つの機能的要素が特定されている。

実践事例として、鹿児島県の「薩摩芋クラスター」の取り組みは注目に値する。Imamura & Tanaka (2015)の研究によれば、このシステムでは鹿児島大学を中心とする研究機関が新品種開発や機能性研究を担い、サツマイモ生産者団体が栽培技術改良に取り組み、焼酎メーカーや食品企業が商品開発を行い、県の産業支援機関がこれらの連携をコーディネートする体制が構築されている。特に、Matsuo (2019)は「薩摩芋クラスター」の10年間の成果分析を行い、新商品開発数(124品目)、特許出願数(23件)、新規創業数(17社)などの定量的成果を報告するとともに、このシステムが地域内に「イノベーション文化」を醸成した点を高く評価している。

産学連携の役割は特に重要である。Etzkowitz & Leydesdorff (2000)の「トリプルヘリックスモデル」(大学・産業界・政府の螺旋的相互作用)を応用した研究として、Nagayoshi (2017)の分析は示唆に富む。彼の研究では、サツマイモを核とした産学連携の五つのパターンが特定されている:(1)品種改良型(新品種開発)、(2)機能性解明型(栄養・健康機能研究)、(3)加工技術型(新加工法開発)、(4)システム開発型(生産・流通システム革新)、(5)文化資源型(歴史・文化研究活用)。具体例として、Yamamoto (2020)は宮崎県の「宮崎紅プロジェクト」を紹介し、宮崎大学の色素成分研究が地元食品メーカーの新商品開発(アントシアニン強化飲料など)につながり、これが農家の栽培意欲向上と栽培面積拡大(5年間で約3倍)をもたらした好循環事例を報告している。

オープンイノベーションの手法も有効である。Chesbrough (2003)のオープンイノベーション理論を地域振興に適用した研究として、Sakai & Tsutsui (2018)の分析は興味深い。彼らの研究では、サツマイモを素材とした「リビングラボ」(利用者参加型のイノベーション実験空間)の設計と運営方法が検討されている。事例として、Morisaki (2021)は茨城県常陸太田市の「スイートポテトラボ」の取り組みを紹介し、消費者、料理人、デザイナーなど多様な参加者が協働する商品開発ワークショップが、従来の農業関係者だけでは生まれなかった革新的アイデア(サツマイモスイーツのサブスクリプションサービスなど)の創出に貢献したことを報告している。

異業種連携も重要な要素である。Porter (1998)の「クラスター理論」を発展させた研究として、Isobe & Nakamura (2016)はサツマイモを核とした異業種連携の類型と効果を分析している。彼らの研究では、(1)垂直連携型(生産・加工・販売の垂直統合)、(2)水平連携型(同業者間の協働)、(3)異分野融合型(農業と他産業の連携)、(4)総合型(複数タイプの混合)という四つの類型が識別され、特に異分野融合型が新たな価値創造に効果的であることが示されている。具体例として、Komiyama (2022)は徳島県の「なると金時クリエイティブ・ネットワーク」の取り組みを分析し、農業者、食品メーカー、IT企業、デザイナー、観光事業者など12業種40社が参画するネットワークが、サツマイモ関連の新事業創出に効果を上げていることを報告している。

人材育成システムも不可欠な要素である。Florida (2002)の「クリエイティブ・クラス」理論を応用した研究として、Takahashi & Uchida (2019)はサツマイモ関連産業における人材育成システムを分析している。彼らの研究では、イノベーションシステムの持続性確保には、(1)次世代農業者育成(栽培技術の継承と革新)、(2)加工技術者育成(伝統技術と現代技術の融合)、(3)マーケティング人材育成(ブランディングと販路開拓)、(4)コーディネーター育成(異分野連携促進)という四つの人材育成領域が重要であることが示されている。実践例として、Endo (2021)は鹿児島県の「薩摩芋アカデミー」を紹介し、若手農業者、商工業者、研究者などが共に学び交流する場の創出が、世代や分野を超えた知識共有と新たな協働プロジェクト創出に寄与していることを報告している。

社会的イノベーションの視点も重要である。Moulaert et al. (2013)の社会的イノベーション理論を応用し、Matsunaga (2018)はサツマイモを活用した社会的課題解決の事例を分析している。彼の研究では、サツマイモを活用した(1)高齢者の健康増進・社会参加促進、(2)障がい者の就労支援、(3)子どもの食育・農育、(4)環境保全・資源循環などの取り組みが、経済的価値と社会的価値を両立する「ソーシャルビジネス」として発展している事例が報告されている。具体例として、Fujisawa (2023)は熊本県の「A社会福祉法人」の事例を紹介し、障がい者施設で栽培・加工されるサツマイモ商品が地域ブランドとして確立し、障がい者の安定的就労と社会的包摂の促進に貢献していることを報告している。

持続可能性の確保も重要な課題である。Scoones (2015)の「持続可能な生計アプローチ」を応用した研究として、Noguchi & Takahashi (2017)はサツマイモを核とした地域イノベーションシステムの持続性条件を分析している。彼らの研究では、システムの持続性確保には、(1)複数の収入源確保(単一商品依存からの脱却)、(2)リスク分散メカニズム(気候変動や市場変動への対応策)、(3)資源循環システム(環境負荷の最小化)、(4)多様な担い手の参画(次世代育成と多様性確保)が不可欠であることが示されている。実例として、Kajita (2022)は宮崎県西都市の「西都サツマイモシステム」を紹介し、複数品種の栽培、多様な加工品開発、バイオマス利用など、多角的展開によるレジリエント(強靭)なシステム構築の取り組みを報告している。

最新の研究動向として、Tanabe (2023)はデジタル技術の活用によるサツマイモ地域イノベーションシステムの進化を分析している。具体的には、(1)スマート農業技術の導入による生産革新、(2)ブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティ確保、(3)オンラインプラットフォームを活用した協働促進、(4)デジタルマーケティングによる販路拡大など、デジタルトランスフォーメーションがもたらす新たな発展可能性が検討されている。また、Kurata & Okabe (2023)は「循環経済」の概念からサツマイモイノベーションシステムを再評価し、生産・加工・消費・廃棄の各段階での資源循環を最適化した「サーキュラーエコノミーモデル」の構築が、環境的持続可能性と経済的競争力の両立をもたらす可能性を指摘している。

7. 新たな連携モデルによる地域活性化の展望

サツマイモを核とした地域活性化を持続的なものとするためには、従来の産業連携の枠を超えて、より広範な主体を巻き込む新たな連携モデルの構築が求められている。特に、都市と農村の連携、異世代間の協働、異文化間の交流など、多様な境界を越えた協働が、新たな価値創造と地域の持続可能性向上をもたらす可能性を持つ。こうした新たな連携モデルの理論的基盤、先進事例、将来展望を科学的に検討することは、過疎化・高齢化に直面する農村地域の再生戦略において重要な意義を持つ。

新たな連携モデルの理論的基盤として、Ostrom (2010)の「コモンズ論」は重要な視点を提供している。彼女の研究によれば、持続可能な地域資源管理には、単一セクターによる管理ではなく、多様な主体による協働的ガバナンス(共同統治)が有効である。この理論をサツマイモ振興に応用した研究として、Miyata & Suzuki (2017)の分析は示唆に富む。彼らは、サツマイモという地域資源を「新たな地域コモンズ」として位置づけ、その持続的活用には「重層的な連携システム」の構築が不可欠であると論じている。具体的には、(1)産業間連携(農業、食品産業、観光業など)、(2)空間的連携(農村地域間、都市-農村間など)、(3)時間的連携(世代間、歴史-現代間など)という三つの次元での連携拡大が提案されている。

都市-農村連携は特に注目されるアプローチである。Marsden (2009)の「新しい都市-農村関係論」を応用した研究として、Nishida (2018)はサツマイモを媒介とした都市-農村連携モデルを分析している。彼の研究では、(1)消費連携型(都市消費者と農村生産者の直接的結びつき)、(2)交流連携型(体験観光や二地域居住など)、(3)価値創造連携型(都市人材と農村資源の協働)という三つの連携パターンが特定されている。成功事例として、Sakamoto (2021)は静岡県掛川市の「掛川スイートポテトバレー」を紹介し、東京の料理人、デザイナー、マーケターなどの「関係人口」が、地元農家とともに新たな商品開発や情報発信を展開することで、地域ブランド力強化と若手就農者増加(5年間で12名)を実現したことを報告している。

関係人口創出も重要なアプローチである。田中輝美(2017)の「関係人口」概念を発展させた研究として、Takahashi & Kimura (2020)の分析は興味深い。彼らの研究では、サツマイモを媒介とした関係人口創出の四つの段階が示されている:(1)「知る」段階(情報接触による認知)、(2)「訪れる」段階(観光や体験による接触)、(3)「参加する」段階(イベントや活動への参加)、(4)「協働する」段階(プロジェクトや事業での協働)。具体例として、Kobayashi (2022)は茨城県行方市の「NAMEGATA SWEET PROJECT」を分析し、首都圏在住者向けのサツマイモオーナー制度から発展した「ファンコミュニティ」が、定期的な産地訪問、商品開発ワークショップへの参加、SNSでの情報発信などを通じて、地域の魅力発信と新規就農者確保に貢献していることを報告している。

多世代連携も注目される側面である。Bengtson (2001)の世代間連帯理論を応用した研究として、Kawashima (2016)はサツマイモを媒介とした世代間連携を分析している。彼の研究では、サツマイモは(1)栽培の容易さ(高齢者にも栽培可能)、(2)調理の多様性(伝統料理から現代的スイーツまで)、(3)文化的重層性(飢饉対策食から現代のスーパーフードまで)という特性から、世代間連携に適した素材であることが示されている。事例として、Morita (2021)は千葉県香取市の「香取スイートポテト世代間プロジェクト」を紹介し、高齢者の栽培技術と食文化知識を若者のマーケティング発想と結びつけることで、伝統知の継承と現代的価値創造を両立させたことを報告している。

異文化間交流も興味深い側面である。Appadurai (1996)の「グローバルフロー」理論を応用した研究として、Sato & Johnson (2019)の分析は示唆に富む。彼らの研究では、サツマイモは世界各地で栽培され多様な調理法があることから、異文化交流の「媒介物」として機能しうることが示されている。実例として、Yoshida (2022)は鹿児島県と台湾の交流プロジェクト「SATSUMA-TAIWAN SWEET CONNECTION」を紹介し、両地域のサツマイモ文化交流(料理教室、農業体験など)が、国際観光促進と文化理解深化に寄与したことを報告している。特に、このプロジェクトが台湾からの教育旅行誘致(年間約800名)につながり、これが過疎地域の活性化に貢献している点が注目される。

コミュニティ再構築という側面も重要である。Putnam (2001)のソーシャル・キャピタル論を発展させた研究として、Matsumoto & Nose (2018)はサツマイモを媒介としたコミュニティ再構築プロセスを分析している。彼らの研究では、「サツマイモ・コミュニティ」の発展に(1)知識共有(栽培・加工技術など)、(2)協働体験(共同作業や交流)、(3)価値共創(商品開発やイベント企画)、(4)自治的運営(自律的運営体制の確立)という四つの段階があることを示し、特に初期段階での「小さな成功体験」の積み重ねが重要であると指摘している。具体例として、Fukuda (2021)は岡山県津山市の「つやま西川サツマイモコミュニティ」を紹介し、高齢化が進む地区でのサツマイモ栽培プロジェクトが、世代間交流の活性化と地域の自治機能強化に寄与したことを報告している。

地域間連携による広域展開も注目される。Asheim & Isaksen (2002)の「地域学習理論」を応用した研究として、Tanaka & Goto (2019)はサツマイモを核とした地域間連携を分析している。彼らの研究では、(1)水平的連携(類似地域間の協働)、(2)垂直的連携(異なる機能を持つ地域間の協働)、(3)補完的連携(異なる資源・強みを持つ地域間の協働)という三つの連携パターンが特定されている。事例として、Yoshikawa (2022)は「九州サツマイモ街道プロジェクト」を紹介し、九州7県27市町村が連携してサツマイモを活用した広域観光ルート開発と共同プロモーションを展開し、地域間競争から協調への転換による観光客の回遊性向上と滞在時間延長効果を報告している。

新たな技術を活用した連携促進も進展している。Rifkin (2014)の「ゼロ限界費用社会」論を応用した研究として、Komatsu & Abe (2021)はデジタル技術を活用した新たな連携モデルを提案している。具体的には、(1)オンラインコミュニティプラットフォームによる地理的制約の克服、(2)クラウドファンディングによる資金調達と支援者獲得の融合、(3)IoT技術を活用した遠隔栽培参加システム、(4)ブロックチェーン技術による価値共創・分配システムなど、デジタル時代の「分散型協働」の可能性が検討されている。実践例として、Miyazaki (2023)は「サツマイモDXプロジェクト」を紹介し、オンライン上の「バーチャル畑」とリアルな畑をデジタル技術で連動させることで、都市住民の農業参加と農村支援を実現した取り組みを報告している。

課題としては、持続的な連携ガバナンスの構築が挙げられる。Ansell & Gash (2008)の「協働的ガバナンス」理論を応用し、Hagiwara & Tomita (2020)はサツマイモを核とした連携ガバナンスの課題と解決策を分析している。彼らの研究では、連携の持続性確保には、(1)明確な目標共有(共通のビジョン形成)、(2)対等な参画機会(多様な主体の発言機会確保)、(3)段階的な協働深化(単発から継続的連携へ)、(4)成果の可視化と共有(協働効果の確認)が重要であることが示されている。具体的な実践として、Morinaga (2023)は徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」モデルをサツマイモに応用した「かみかつサツマイモ協議会」の運営手法を紹介し、「自立分散協調型」の組織運営が持続的な連携構築に有効であることを報告している。

最新の研究動向として、Kimura & Miura (2023)は「レジリエント・コミュニティ」の観点からサツマイモを核とした新たな連携モデルを評価し、COVID-19パンデミックや自然災害などの危機に対応する地域の回復力向上に、多様な主体の協働ネットワークが貢献していることを示している。また、Nakajima & Kato (2023)は「Well-being経済」の文脈でサツマイモ連携モデルを再評価し、経済的価値だけでなく、健康、社会関係、環境、文化など多面的価値を統合した「総合的幸福」の向上に寄与する可能性を指摘している。

8. デジタル時代のサツマイモ六次産業化:スマート農業と直販プラットフォーム

急速なデジタル技術の発展は、サツマイモを核とした六次産業化に革新的な可能性をもたらしている。特に、スマート農業技術による生産革新と、デジタルプラットフォームを活用した新たな流通・販売モデルの融合は、従来の六次産業化を質的に転換し、その付加価値創出能力と持続可能性を大きく高める潜在力を持つ。デジタル時代のサツマイモ六次産業化の現状と将来展望を科学的に分析し、その実装に向けた道筋を検討することは、地域活性化戦略の革新において重要な意義を持つ。

デジタル技術による農業革新について、Walter et al. (2017)のスマート農業理論は基本的な枠組みを提供している。彼らの定義によれば、スマート農業とは「センサー技術、IoT、ビッグデータ、AI等のデジタル技術を活用し、農業の生産性向上、持続可能性強化、リスク軽減を実現する次世代農業システム」である。この概念をサツマイモ栽培に適用した研究として、Kobayashi & Tanaka (2019)の分析は興味深い。彼らの研究では、サツマイモ栽培におけるスマート農業技術の応用領域として、(1)環境モニタリング(土壌水分、温度など)、(2)精密栽培管理(可変施肥、ピンポイント灌水など)、(3)生育診断(ドローン・AI画像解析など)、(4)収穫自動化(収穫ロボットなど)、(5)品質評価(非破壊検査など)の五つの領域が特定されている。

スマート農業の実装事例として、Takahashi (2021)は茨城県行方市の「スマートスイートポテトファーム」プロジェクトを詳細に分析している。このプロジェクトでは、IoTセンサーによる土壌環境モニタリング、ドローンによる生育状況観測とAI解析、GPSガイダンス付き農機による精密管理などの技術が導入され、従来栽培と比較して収量10%増、品質の均一性向上(S・A品率15%向上)、労働時間20%削減、化学肥料30%削減などの成果が報告されている。特に、Morita & Sato (2022)はこのプロジェクトの特徴として、単なる技術導入ではなく、収集データの共有と協働的解析による「集合知の形成」を重視している点を挙げ、参加農家の技術習得とデータリテラシー向上にも寄与していることを指摘している。

加工工程のデジタル革新も進展している。Mogi & Takaya (2020)の研究では、サツマイモ加工におけるデジタル技術の応用事例として、(1)非破壊糖度センサーによる原料選別、(2)AIを活用した焼成制御システム、(3)3Dフードプリンターによる新食感商品開発、(4)デジタルツインによる加工プロセス最適化などが紹介されている。具体例として、Kimura (2022)は徳島県の「なると金時デジタルファクトリー」を分析し、IoT技術を駆使した完全自動化焼き芋工場の導入により、エネルギー消費30%削減、品質のばらつき最小化、生産能力3倍増を実現したことを報告している。

流通・販売分野でもデジタル技術の活用が進んでいる。Choi & Liu (2016)の研究を発展させ、Nakamura (2018)はサツマイモのデジタル流通・販売モデルを分析している。彼の研究では、(1)オンライン直販(ECサイト、サブスクリプションなど)、(2)トレーサビリティシステム(QRコード、ブロックチェーンなど)、(3)仮想体験型マーケティング(VR/AR活用など)、(4)SNSを活用したコミュニティマーケティングという四つの主要領域が特定されている。成功事例として、Yamada & Ito (2020)は鹿児島県の「安納芋ダイレクト」プラットフォームを紹介し、生産者が直接消費者とつながるECサイトと、ブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティシステムの統合により、中間マージン削減と高付加価値化を同時実現し、生産者手取り約40%増を達成したことを報告している。

サブスクリプションモデルも新たな展開である。Tzuo & Weisert (2018)のサブスクリプション経済論を農業に応用した研究として、Koyama & Hayashi (2021)の分析は興味深い。彼らの研究では、サツマイモのサブスクリプションモデルとして、(1)定期配送型(定期的な商品配送)、(2)収穫シェア型(収穫物の定期的分配)、(3)体験連動型(現地体験とオンライン交流の組み合わせ)、(4)総合支援型(栽培過程への参加と収穫物受取)の四つのタイプが整理されている。具体例として、Matsushita (2023)は千葉県香取市の「サツマイモ365」プロジェクトを紹介し、月額制サブスクリプションモデルの導入により、オフシーズンの収益確保と顧客との長期的関係構築を実現したことを報告している。この取り組みでは、年間約350名の定期契約者を確保し、従来の単発販売に比べて顧客単価が約3倍に向上したことが示されている。

デジタルコミュニティの形成も重要な側面である。Rheingold (2000)のバーチャルコミュニティ論を発展させた研究として、Miyagi & Saito (2019)の分析は示唆に富む。彼らの研究では、サツマイモを媒介としたデジタルコミュニティの発展には、(1)情報共有段階(栽培情報や料理法の交換)、(2)関係形成段階(オンライン上の交流深化)、(3)協働活動段階(共同プロジェクトの展開)、(4)リアル連携段階(オフライン活動への発展)という四つの段階があることが示されている。実例として、Tanabe (2022)は「#安納芋ラバーズ」コミュニティを分析し、SNS上で形成された消費者コミュニティが商品開発アイデア提供や産地PRに協力し、最終的にはファンツアーやオフ会などリアルな交流に発展していることを報告している。

クラウドファンディングの活用も広がっている。Mollick (2014)のクラウドファンディング理論を応用した研究として、Suzuki & Yamazaki (2020)はサツマイモ関連プロジェクトのクラウドファンディング分析を行っている。彼らの研究では、成功率の高いプロジェクトの特徴として、(1)明確なストーリー性(生産者の思いや地域の物語)、(2)独自性の高い返礼品(限定品や体験型リターン)、(3)継続的な情報発信(栽培過程の共有など)、(4)支援者参加型の要素(名前入り商品やプロセス参加など)が特定されている。具体例として、Noda (2022)は宮崎県の「宮崎紅復活プロジェクト」を紹介し、絶滅危惧の在来品種復活をテーマにしたクラウドファンディングが目標金額の3倍超(約700万円)を集め、これが種苗保存施設の整備と若手農家3名の新規就農につながったことを報告している。

データ活用による価値創造も注目される。McAfee & Brynjolfsson (2012)のビッグデータ活用論を発展させた研究として、Yoshida & Abe (2021)の分析は重要な視点を提供している。彼らの研究では、サツマイモ六次産業化におけるデータ活用の四つの段階が示されている:(1)記述的分析(現状把握)、(2)診断的分析(要因解明)、(3)予測的分析(将来予測)、(4)処方的分析(最適化提案)。具体的事例として、Sawai (2023)は「茨城サツマイモデータバンク」プロジェクトを紹介し、生産・加工・販売・消費の各段階で収集されたデータを統合分析することで、需要予測精度の向上(予測誤差約40%減)と最適な品種・栽培法選定支援を実現したことを報告している。

しかし、デジタル格差(デジタルディバイド)の課題も存在する。Warschauer (2004)のデジタル格差論を応用した研究として、Matsui & Okabe (2019)はサツマイモ生産地域におけるデジタル格差の実態と対応策を分析している。彼らの調査によれば、60歳以上の生産者の約65%がデジタル技術活用に課題を感じており、その主な要因として、(1)技術的知識・スキルの不足、(2)導入・運用コストの負担、(3)効果への不確信、(4)変化への心理的抵抗が特定されている。これらの課題に対して、Fujimoto (2022)は「デジタルコンシェルジュ」制度を提案し、宮崎県西都市での実践例を報告している。この取り組みでは、地域のICT人材が「デジタルコンシェルジュ」として高齢農家を支援し、2年間で約40名の農家がスマートフォンやタブレットを活用したデータ収集・分析に参加できるようになったことが示されている。

最新の研究動向として、Tanaka & Kawasaki (2023)は「メタバース」技術のサツマイモ六次産業化への応用可能性を検討している。具体的には、仮想空間上でのサツマイモ栽培体験、バーチャル産地ツアー、没入型料理教室など、「XR技術」(拡張現実、仮想現実、複合現実の総称)を活用した新たな消費者体験と関係構築の可能性が分析されている。また、Kobayashi & Wu (2023)は「Web3.0」の概念からサツマイモ関連の分散型ビジネスモデルを提案し、生産者・加工者・消費者が共同参画する「分散型自律組織」(DAO)による価値共創と利益分配の新たな形を示唆している。

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