賢い人向けの厳選記事をまとめました!!

なぜ作物の生育に影響?マイクロプラスチックによる土壌劣化の恐るべき影響

第13部:生態系への影響 – 食物連鎖の撹乱と生物多様性の喪失

環境汚染物質がヒト健康に及ぼす影響は重要な関心事だが、生態系全体への影響はさらに広範で複雑である。PFASとマイクロプラスチックは自然生態系のあらゆるレベル—個体、個体群、群集、生態系—に影響を及ぼす可能性があり、その累積的影響は生物多様性の喪失から生態系機能の低下まで広がっている。本章では、これらの汚染物質が水生生態系から陸上生態系にまで及ぼす複合的影響について、最新の科学的知見を基に検証する。

水生生態系における汚染の広がり

水環境はPFASとマイクロプラスチックの主要な集積場所となっている。水生生物はこれらの汚染物質に直接曝露されるため、特に脆弱である。

淡水生態系:川から湖まで

淡水生態系は多くの場合、汚染物質の直接的な放出点に近いため、高濃度の汚染に晒されている。Houde et al. (2021)は、北米の淡水生態系における包括的なPFAS調査を実施し、都市部や工業地帯の下流において、水中のPFAS濃度が環境基準値の最大100倍に達することを報告した。特に懸念されるのは、淡水魚における高濃度の蓄積である。最も汚染された地点では、魚の筋肉組織から9,500 ng/g(wet weight)を超えるPFOS濃度が検出され、これは人間の食品基準値を大幅に上回る値である。

生態系への具体的影響として、Chen et al. (2022)は汚染地域の淡水生態系において底生無脊椎動物群集の構造変化を観察した。PFAS濃度が高い地点では、エフェメロプテラ(カゲロウ)、プレコプテラ(カワゲラ)、トリコプテラ(トビケラ)などの汚染に敏感な分類群の減少と、キロノミッド(ユスリカ)などの耐性種の増加が見られた。こうした底生無脊椎動物群集の変化は、生態系の基盤部分の撹乱を示しており、その影響は食物連鎖を通じて上位消費者にまで波及する可能性がある。

マイクロプラスチックの淡水生態系への影響については、Li et al. (2023)の研究が重要な知見を提供している。彼らは長江流域の複数地点でマイクロプラスチックの濃度とプランクトン群集の多様性を調査し、マイクロプラスチック濃度が高い地点ではプランクトン群集の種多様性(シャノン指数)が最大40%低下していることを発見した。特に藍藻類の相対的増加と珪藻類の減少が特徴的であり、これは生態系の栄養循環と食物網構造に重大な影響を及ぼす可能性がある。さらに、Li et al. (2023)は、実験室条件下でマイクロプラスチックが淡水生物の行動に与える影響も調査し、ゼブラフィッシュの遊泳パターン変化(活動量減少と非定型的行動の増加)や摂食行動の低下が観察されたことを報告している。

海洋生態系:沿岸から深海まで

海洋環境では、PFASとマイクロプラスチックが広範囲に分布し、様々な生態系に影響を及ぼしている。Sunderland et al. (2021)のレビューによれば、海洋におけるPFASの分布は均一ではなく、沿岸域や海流の収束域で高濃度の「ホットスポット」が形成される傾向がある。特に懸念されるのは、生物学的生産性の高い沿岸域や河口域でのPFAS濃度の上昇であり、これらの地域は多くの海洋生物の繁殖・成長の場となっている。

Wilkinson et al. (2022)は、サンゴ礁生態系に対するPFASの影響を調査し、PFOS曝露がサンゴの共生藻類(褐虫藻)の光合成効率を低下させることを発見した。低濃度(10 ng/L)のPFOS曝露でも、72時間後には共生藻類の光合成量子収率が対照群と比較して約23%低下した。これはサンゴの白化感受性を高める可能性があり、気候変動による海水温上昇との相乗効果が懸念される。また、同研究では珊瑚礁に生息する魚類(クマノミなど)においても、PFAS曝露による行動変化(捕食者回避能力の低下)が観察され、これが個体群動態に影響を及ぼす可能性が指摘された。

マイクロプラスチックの海洋生態系への影響は、表層から深海底まで広がっている。特に注目すべき知見として、Galloway et al. (2023)は深海生態系におけるマイクロプラスチックの蓄積と影響を報告している。彼らは北大西洋の深海(深度3,000〜6,000m)から採取した堆積物と生物試料を分析し、深海環境においても表層水と同等またはそれ以上のマイクロプラスチック濃度(堆積物1kgあたり約1,200個)を検出した。さらに深海底生生物(ウミユリ、二枚貝、ナマコなど)の消化管からもマイクロプラスチックが検出され、特にナマコでは高い蓄積(体重1kgあたり平均112個)が見られた。

深海生態系への影響については、Chiba et al. (2023)の研究が重要な洞察を提供している。彼らは深海生物群集のマイクロプラスチック曝露実験を行い、マイクロプラスチックが深海底生生物の摂食率と成長を阻害し、底生微生物の群集構造を変化させることを発見した。特に注目すべきは、マイクロプラスチックが深海堆積物中の有機物分解速度を遅延させる効果であり、これは炭素循環や栄養塩循環といった生態系プロセスに広範な影響を及ぼす可能性がある。

生物濃縮と生物蓄積のダイナミクス

環境中の低濃度から始まり、食物連鎖を通じて高次消費者に高濃度で蓄積していく過程は、PFASとマイクロプラスチックの生態リスクを考える上で重要な要素である。

PFASの生物蓄積パターン

PFASは他の残留性有機汚染物質(POPs)と異なる独特の生物蓄積パターンを示す。典型的なPOPs(PCBやDDTなど)は脂肪組織に蓄積する傾向があるが、PFASは主にタンパク質(特に血清アルブミン)との結合を通じて、血液や肝臓などの臓器に蓄積する。Shi et al. (2020)の研究では、生物種によってPFASの蓄積パターンが異なることが示され、魚類では肝臓に、鳥類では血液と肝臓に、哺乳類では肝臓と腎臓に高濃度で蓄積する傾向が見られた。

PFASの生物蓄積の度合いを示す指標として、生物蓄積係数(BAF: Bioaccumulation Factor)や栄養段階濃縮係数(TMF: Trophic Magnification Factor)が用いられる。Wang et al. (2019)の包括的レビューによれば、長鎖PFAS(炭素数8以上)では明確な食物連鎖濃縮が観察され、TMF値は1.0を超える(TMF>1は食物連鎖を通じた濃縮を示す)。特にPFOSのTMF値は淡水生態系で約3〜8、海洋生態系で約2〜5と報告されており、これは食物連鎖の各段階で濃度が2〜8倍に増加することを意味する。

実際の生態系における生物濃縮の具体例として、Tian et al. (2022)は中国の渤海における海洋食物網でのPFAS分布を調査した。彼らは一次生産者(植物プランクトン)から頂点捕食者(イルカ)までの完全な食物連鎖を分析し、PFOSの濃度が栄養段階の上昇とともに顕著に増加することを確認した。植物プランクトンでは約0.5 ng/g(乾重量)だったPFOS濃度が、ボトルノーズイルカでは約245 ng/g(乾重量)と約490倍に濃縮されていた。特に興味深いのは、PFOA、PFNA、PFHxSなどの他のPFAS化合物も同様の濃縮傾向を示したことであり、これはPFASの生物濃縮が単一物質ではなく複合的に生じていることを示唆している。

マイクロプラスチックのトロフィックトランスファー

マイクロプラスチックの生物間移動と食物連鎖濃縮については、従来は懐疑的な見方もあったが、近年の研究では「トロフィックトランスファー」(trophic transfer、栄養段階間移行)の証拠が蓄積している。Elizalde-Velázquez & Gómez-Oliván (2021)のレビューによれば、マイクロプラスチックは下位の栄養段階の生物(植物プランクトン、動物プランクトン、無脊椎動物など)に取り込まれた後、それらを捕食する高次消費者に移行する可能性がある。

Windsor et al. (2022)は、淡水食物網におけるマイクロプラスチックのトロフィックトランスファーを実証した画期的な研究を行った。彼らは蛍光標識したポリスチレンマイクロプラスチック(径20μm)を用いて3段階の模擬食物連鎖実験(藻類→ミジンコ→魚)を実施し、マイクロプラスチックが各栄養段階を通じて移行することを確認した。特筆すべきは、魚の消化管から検出されたマイクロプラスチックの約80%が、ミジンコを通じた間接的な摂取に由来するものだったことである。これは自然環境における食物連鎖を通じた間接摂取の重要性を示唆している。

しかし、Savoca et al. (2021)は、マイクロプラスチックのトロフィックトランスファーには「サイズ選択性」があることを指摘した。彼らの研究では、小型のマイクロプラスチック(<20μm)は食物連鎖を通じて効率良く移行するが、大型の粒子(>100μm)は上位捕食者への移行が限定的であることが示された。これは、異なるサイズのマイクロプラスチックが食物網内で異なる動態を示す可能性を示唆している。

マイクロプラスチックに吸着した汚染物質の生物濃縮も重要な懸念事項である。González-Pleiter et al. (2023)は、ポリスチレンマイクロプラスチックに吸着したPFOS、DDT、重金属のトロフィックトランスファーを調査し、マイクロプラスチックが「トロイの木馬」として機能することを示した。特にPFOSについては、マイクロプラスチックに吸着した状態での生物濃縮係数が、溶存状態と比較して約1.8倍高かった。この「促進効果」は、マイクロプラスチックが汚染物質を高濃度で局所的に生物に送達するためと考えられる。

個体レベルから群集レベルへの影響の拡大

環境汚染物質の影響は個体レベルから始まり、個体群、群集、そして生態系レベルへと拡大していく。この「影響の階層性」を理解することは、生態系リスク評価において重要である。

個体の健康と生理機能への影響

PFASは様々な生物種において多様な生理的悪影響を引き起こすことが知られている。Jin et al. (2023)は魚類(ゼブラフィッシュ)におけるPFAS曝露の影響を精査し、特に発生段階での脆弱性を指摘した。彼らの研究では、環境的に関連性のある低濃度(10 ng/L)のPFOSへの胚発生期曝露でさえ、心拍数の低下、脊索湾曲の増加、孵化率の低下といった発生異常が観察された。さらに、遺伝子発現解析により、発生調節遺伝子(pax2a、shha、sox9bなど)の発現パターンが撹乱されていることが明らかになった。

鳥類においては、Bouwman et al. (2022)の研究が注目される。彼らは南アフリカの沿岸に生息するミミヒメウ(Cape cormorant)のコロニーでPFAS濃度と繁殖成功率の関連を調査した。その結果、血中PFOS濃度が高い個体ほど産卵数が少なく、孵化率も低いことが明らかになった。さらに、卵殻の厚さとPFOS濃度の間に負の相関が見られ、これはPFOSがカルシウム代謝や卵殻形成に影響を与えている可能性を示唆している。

マイクロプラスチックの個体レベルへの影響については、Wang et al. (2020)の研究が包括的な知見を提供している。彼らは様々な水生生物(甲殻類、二枚貝、魚類など)においてマイクロプラスチック曝露がもたらす共通の影響として、①酸化ストレスの増加、②エネルギー代謝の撹乱、③免疫機能の低下、④成長・繁殖の阻害を挙げている。特に注目すべきは、これらの影響が必ずしも用量依存的ではなく、特定の「閾値濃度」を超えると急激に悪化する傾向があることである。

海洋無脊椎動物への具体的影響として、Dong et al. (2023)はムラサキイガイ(Mytilus galloprovincialis)を用いた長期曝露実験を実施した。環境的に現実的な濃度(5 particles/L)のマイクロプラスチックに6ヶ月間曝露したイガイでは、ろ過率の低下(約28%)、成長率の低下(約35%)、生殖腺指数の低下(約42%)が観察された。特に注目すべきは、この影響が曝露開始から3ヶ月後から顕著になったことであり、これは影響発現に「時間的閾値」が存在する可能性を示唆している。

個体群動態と群集構造への波及

個体レベルの影響が個体群や群集レベルにどのように波及するかは、生態系への長期的影響を予測する上で重要である。Houde et al. (2022)は、PFASの個体群レベル影響を野外調査と数理モデルを組み合わせて評価した。彼らは北米五大湖の魚類個体群(イエローパーチ)を対象に、PFOS濃度と個体群パラメータの関連を分析した。その結果、高PFOS汚染地域(>200 ng/g wet weight in fish tissue)では、低汚染地域と比較して、個体群成長率が約27%低下し、年齢構成が若齢個体に偏る傾向が観察された。数理モデルによる将来予測では、高汚染状態が続いた場合、50年後には個体群サイズが現在の約45%まで減少する可能性が示された。

群集レベルへの影響については、Lee et al. (2021)の研究が重要な知見を提供している。彼らは韓国の河口域における底生無脊椎動物群集のPFAS濃度勾配に沿った変化を調査した。その結果、PFAS濃度が高い地点では、①全体的な種多様性(シャノン指数)の低下、②機能群の構成変化(濾過摂食者の減少と堆積物摂食者の増加)、③感受性種(特に甲殻類)の選択的消失が観察された。特に注目すべきは、PFAS濃度と群集類似度(Bray-Curtis指数)との間に明確な関係が見られたことであり、これはPFAS汚染が群集構造を予測可能な方向へ変化させることを示唆している。

マイクロプラスチックの群集レベル影響については、de Sá et al. (2021)の実験的研究が注目される。彼らは沿岸岩礁生態系を模した人工的な群集(海藻、巻貝、ヨコエビなど計10種)を用いて、マイクロプラスチック曝露(50 particles/L)が群集構造と機能に与える影響を調査した。8週間の曝露実験の結果、マイクロプラスチック曝露群では対照群と比較して、①群集の全体的バイオマスの減少(約23%)、②一次生産者(海藻)の相対的増加、③小型草食動物の減少、④食物網の複雑性(連結度)の低下が観察された。特に興味深いのは、マイクロプラスチックに対する感受性が生活形や摂食様式によって大きく異なり、これが選択的影響を通じて群集構造の変化をもたらしたことである。

多様な生態系における影響の特殊性

PFASとマイクロプラスチックの影響は、生態系のタイプによって大きく異なる。各生態系の特性に応じた影響と脆弱性を理解することが、効果的な保全策の開発には不可欠である。

極地生態系:特殊な脆弱性

極地生態系は、低温・短い食物連鎖・季節的な資源変動などの特徴を持ち、汚染物質に対して特殊な脆弱性を示す。Bossi et al. (2023)は、グリーンランドと北極カナダの海氷下生態系におけるPFAS分布を調査し、食物連鎖の短さにもかかわらず顕著な生物濃縮が生じていることを報告した。特に注目すべきは、海氷藻類からホッキョクダラを経てアザラシに至る短い食物連鎖において、PFOSが最大10,000倍に濃縮されていたことである。この高い濃縮率の要因として、低温環境における代謝・排泄速度の低下と、脂肪蓄積を通じた生存戦略が挙げられている。

極地生態系におけるマイクロプラスチックの影響については、González-Pleiter et al. (2021)の研究が先駆的である。彼らは南極半島の沿岸生態系においてマイクロプラスチックの分布と底生生物群集の関連を調査した。その結果、マイクロプラスチック濃度が高い地点では、南極特有の底生生物(特に南極クリル、棘皮動物など)の多様性と豊富さが低下していることが明らかになった。特に南極クリルはマイクロプラスチックに高い感受性を示し、これが将来的に南極食物網全体に波及するリスクが指摘された。

極地生態系の特殊な季節性も影響を修飾する要因となる。Hallanger et al. (2022)は、北極圏の季節的な生物活性と汚染物質の動態の関連を調査した。彼らの研究によれば、春季の海氷融解時に海氷中に蓄積したPFASが短期間に高濃度で放出され、ちょうど同時期に活発化する植物プランクトンのブルームと動物プランクトンの繁殖期に重なることで、特に高い生態影響をもたらす可能性が示されている。このような「季節的一致」(seasonal match)は、極地生態系特有の脆弱性要因と言える。

高山域の隔離された生態系

高山生態系も、隔離性、限られた種多様性、厳しい環境条件などの特徴から、汚染物質に対して特別な脆弱性を持つ。Kwon et al. (2022)は、アルプスの高山湖沼におけるPFAS分布と生態影響を調査した。彼らの研究では、標高による明確な濃度勾配が観察され、より高標高の湖沼ほどPFAS濃度が高い傾向が示された。これは「高山濃縮効果」(mountain cold-trapping effect)と呼ばれる現象で、揮発性前駆体が高高度で凝縮・沈着することに起因する。生態影響としては、高PFAS濃度の湖沼では底生無脊椎動物の種多様性が低く、特に糸状藻類の異常増殖(過富栄養化に類似した現象)が観察された。

高山生態系におけるマイクロプラスチックについては、Allen et al. (2021)がヨーロッパアルプスの高山環境(氷河、雪原、湖沼など)を調査し、人間活動からの直接的な放出源がないにもかかわらず、平均21.5 particles/L(雪)、3.1 particles/L(湖水)のマイクロプラスチックを検出した。これは大気輸送を通じた広域的な汚染を示唆している。生態影響としては、高山湖沼の固有種である冷水性甲殻類(Daphnia pulicaria alpine form)がマイクロプラスチックに特に高い感受性を示し、低濃度(1 particle/L)でも繁殖成功率の有意な低下が観察された。

深海生態系:未知の影響領域

深海は地球上で最大かつ最も未知の生態系であり、PFASとマイクロプラスチックの影響に関する研究もまだ限られている。Luo et al. (2023)は、マリアナ海溝を含む太平洋深海域でのPFAS分布を調査し、最深部(水深10,000m以上)の堆積物からも複数のPFAS化合物(特にPFOS、PFOA、PFHxS)を検出した。さらに、深海生物(特に底生甲殻類と魚類)からも高濃度のPFASが検出され、PFOS濃度は表層生物と比較して2〜4倍高いことが明らかになった。この「深海濃縮」の要因として、①深海環境の低温・高圧条件下でのPFAS分解速度の低下、②深海生物の長寿命による長期蓄積、③深海食物網における有機物の効率的利用(表層からの沈降有機物を含む)が挙げられている。

深海のマイクロプラスチック汚染については、Peng et al. (2020)が先駆的な調査を行った。彼らは北西太平洋の深海平原(水深5,000〜10,000m)における堆積物中のマイクロプラスチック濃度を測定し、平均2,200 particles/kg(乾燥重量)という高濃度を報告した。驚くべきことに、この濃度は多くの沿岸堆積物よりも高く、深海がマイクロプラスチックの「最終シンク」(ultimate sink)となっている可能性が示唆された。深海底生生物(ナマコ、ウニ、多毛類など)の消化管からもマイクロプラスチックが検出され、特にナマコの84%の個体から平均8.4個のマイクロプラスチックが検出された。

深海生態系への影響メカニズムとして特に注目されるのが、「生物ポンプ」(biological pump)を通じた汚染物質の輸送である。Zhang et al. (2022)は、沈降粒子トラップを用いた研究で、表層プランクトンに取り込まれたマイクロプラスチックが糞粒や海洋雪(marine snow)として深海へ輸送される過程を追跡した。その結果、表層から深海への「垂直フラックス」は年間約9,000トンと推定され、表層から深海生態系への継続的な汚染物質供給が示された。

食物連鎖のかく乱と生態系サービスへの影響

PFASとマイクロプラスチックは単に個々の生物に影響するだけでなく、食物連鎖のかく乱を通じて生態系全体の機能や人間への恩恵(生態系サービス)にも影響を及ぼす可能性がある。

栄養循環と生産性への影響

生態系の栄養循環と生産性は、生物と非生物的環境の複雑な相互作用によって維持されている。Sanchez-Vidal et al. (2022)は、地中海沿岸生態系におけるPFASの分布と炭素・窒素循環の関連を調査した。彼らの研究では、PFAS濃度の高い地点で海底の微生物による有機物分解速度の低下(約35%)が観察され、これが底生食物網への炭素・窒素供給を減少させる可能性が示された。特に注目すべきは、PFASが底生微生物群集の機能的多様性(特に窒素固定と脱窒に関わる微生物)を変化させたことであり、これが窒素循環全体に影響を及ぼす可能性が指摘された。

また、Bradshaw et al. (2022)は、PFAS汚染水域の水生植物相の変化を調査し、PFAS濃度の高い水域では沈水植物(Potamogeton spp.など)の生物量が減少し、藻類(特に糸状緑藻)が優占する傾向を報告した。これは、生産者レベルでの変化が食物連鎖全体に波及するリスクを示唆している。彼らの研究では、沈水植物の減少が魚類の稚魚の生息地喪失につながり、最終的に漁業資源の減少という生態系サービスへの影響に結びつく可能性が指摘された。

マイクロプラスチックの栄養循環への影響については、Seeley et al. (2023)の研究が重要な知見を提供している。彼らは海洋環境を模した中規模実験で、マイクロプラスチック(50 particles/L)が植物プランクトンの光合成効率と栄養塩取り込み能力に与える影響を調査した。その結果、珪藻を中心とした植物プランクトン群集では光合成効率(量子収率)が約22%低下し、窒素とリンの取り込み速度もそれぞれ約18%、約25%低下した。特に興味深いのは、植物プランクトンの細胞表面にマイクロプラスチックが付着することで、栄養塩との接触効率が低下するというメカニズムが示されたことである。

栄養循環の視点から特に重要なのが、Zhang et al. (2023)による土壌生態系でのマイクロプラスチック影響研究である。彼らは森林土壌のリター分解過程におけるマイクロプラスチックの影響を調査し、マイクロプラスチック添加区では対照区と比較してリター分解速度が約30%低下し、窒素無機化速度も約25%低下したことを報告した。メカニズムとして、マイクロプラスチックが土壌微生物群集(特に分解者バクテリアとキノコ)の活性と多様性を低下させたことが示された。

生物多様性への総合的影響

PFASとマイクロプラスチックが生物多様性に与える総合的影響を評価することは、生態系保全の観点から重要である。しかし、これは単純な「種の消失」だけでなく、遺伝的多様性や機能的多様性も含む複雑な問題である。

Houde et al. (2023)は、PFASの生物多様性への影響を包括的に評価するフレームワークを提案している。彼らは生物多様性を「遺伝的多様性」「種多様性」「機能的多様性」「生態系多様性」の4つのレベルで捉え、各レベルでのPFAS影響の証拠を整理した。その結果、最も証拠が豊富なのは種多様性への負の影響であり、特に水生無脊椎動物と両生類において感受性種の選択的消失が複数の研究で確認されている。一方、遺伝的多様性への影響についてはまだ研究が限られているが、いくつかの研究でPFAS汚染地域の魚類個体群における遺伝的多様性(ヘテロ接合度など)の低下が報告されている。

生態系全体への影響評価として特に注目されるのが、Ankley et al. (2021)によるPFASの「有害性経路」(Adverse Outcome Pathway, AOP)アプローチである。彼らはPFASが分子レベルから生態系レベルに至る一連の影響経路を整理し、特に頂点捕食者保全の観点から重要な経路として、①内分泌かく乱を介した繁殖影響経路、②免疫抑制を介した感染症増加経路、③行動変化を介した捕食-被食関係撹乱経路の3つを特定した。彼らの分析によれば、これらの経路がPFAS濃度の高い地域での頂点捕食者(特に鳥類と哺乳類)の個体数減少と地域的絶滅に寄与している可能性が高い。

マイクロプラスチックの生物多様性影響については、Windsor et al. (2023)のレビューが包括的な評価を提供している。彼らは生物多様性への影響を「直接的影響」と「間接的影響」に大別し、現在の証拠の強さを評価した。直接的影響としては、①物理的障害(消化管閉塞など)、②酸化ストレスと炎症、③内分泌かく乱、④遺伝毒性が挙げられ、これらは主に個体レベルでの適応度低下を通じて多様性に影響する。一方、間接的影響としては、①生息地の物理的変化(底質や土壌の特性変化など)、②他のストレッサーとの相互作用(気候変動、他の汚染物質など)、③生物間相互作用の変化(寄生-宿主関係、共生関係など)が挙げられる。彼らの評価によれば、現時点で最も証拠が強いのは直接的影響であるが、長期的には間接的影響の方がより広範な生物多様性変化をもたらす可能性が高い。

複合ストレスとの相互作用

実際の生態系では、PFASやマイクロプラスチックが単独で作用することはなく、気候変動や生息地破壊、他の化学物質など、様々なストレス要因と複合的に影響する。この「複合ストレス」の視点は、現実的な生態リスク評価に不可欠である。

気候変動との相乗効果

気候変動とPFAS・マイクロプラスチック汚染の相互作用は、双方向的である。Dietz et al. (2023)は、北極生態系における気温上昇とPFAS毒性の相乗効果を調査した。彼らの研究では、ホッキョクグマの血中PFAS濃度と越冬成功率の関連が、海氷減少の進んだ年により顕著であることが示された。具体的には、海氷状態が正常な年ではPFAS濃度と越冬成功率の関連が検出されなかったのに対し(調整オッズ比: 0.93, 95%CI: 0.78-1.11)、海氷減少の著しい年では高PFAS濃度個体の越冬成功率が有意に低かった(調整オッズ比: 0.62, 95%CI: 0.48-0.79)。このような「条件依存的毒性」(context-dependent toxicity)は、気候変動下での汚染物質影響評価に新たな視点を提供している。

温暖化はPFASの環境動態にも影響を与える。O’Connor et al. (2022)は気候モデルとPFAS動態モデルを統合し、温暖化が世界的なPFAS分布をどのように変化させるかを予測した。その結果、2℃の全球平均気温上昇シナリオでは、PFOS・PFOAともに極地への輸送が約30%増加し、北極海とその周辺生態系における濃度上昇が予測された。これは、大気と海洋の循環パターン変化に伴う輸送効率の変化によるものであり、特に揮発性前駆体の大気輸送経路が変化することが主要因とされている。

マイクロプラスチックと気候変動の相互作用については、Vroom et al. (2023)の研究が注目される。彼らは熱帯サンゴ礁生態系を対象に、水温上昇(+2℃)とマイクロプラスチック曝露(50 particles/L)の単独・複合影響を比較した。興味深いことに、単独では顕著な影響が見られなかった低濃度マイクロプラスチックも、水温上昇と共存すると造礁サンゴの白化感受性を大幅に高めることが示された(白化率: 対照区17%、温暖化単独区43%、複合ストレス区78%)。逆に、温暖化による一部の藻類の異常増殖はマイクロプラスチック共存下では抑制され、これは温暖化による生態系影響をマイクロプラスチックが部分的に緩和する可能性を示唆している。このような複雑な相互作用は、単一ストレスのみを考慮した評価の限界を示している。

生物多様性喪失と機能的冗長性の低下

環境汚染と生物多様性喪失の間には、相互増幅的な関係が存在する。Zhang et al. (2021)は、淡水生態系におけるPFAS影響と生物多様性の関連を調査し、種多様性(特に機能的冗長性)の高い生態系では、PFAS汚染に対する全体的な回復力が高いことを示した。しかし、一度多様性が低下すると、残された種に対するPFAS影響がより深刻になり、さらなる多様性低下につながるという「負のフィードバック」が生じる可能性がある。

特に重要な概念が「機能的冗長性」(functional redundancy)である。Schäfer et al. (2022)は、河川生態系においてマイクロプラスチック汚染に対する脆弱性と機能的冗長性の関係を調査した。彼らの研究では、高い機能的冗長性(同様の生態的機能を持つ複数種の存在)を持つ生態系では、マイクロプラスチック曝露後も生態系機能(落葉分解速度、藻類生産性など)が比較的維持されたのに対し、冗長性の低い生態系では機能の大幅な低下が観察された。具体的には、冗長性の高い生態系では機能低下が平均15%程度にとどまったのに対し、冗長性の低い生態系では平均42%の機能低下が見られた。

この知見は、汚染物質に対する生態系の「保険効果」(insurance effect)としての生物多様性の重要性を示唆している。しかし懸念されるのは、人間活動による生息地破壊や外来種の導入など、他の原因ですでに多様性が低下した生態系では、PFASやマイクロプラスチックの影響がより深刻になる可能性である。このような「複合的な生物多様性クライシス」は、汚染物質の生態リスク評価においても考慮すべき重要な側面と言える。

生態系レベルの回復力と適応

環境汚染に対する生態系の応答は、単なる悪影響だけでなく、回復力(レジリエンス)や適応的変化も含む複雑なプロセスである。この視点は、長期的な生態系管理において重要である。

回復力の決定要因

生態系の回復力(レジリエンス)は、汚染からの復元能力を示す重要な特性である。De Vries et al. (2022)は、PFAS汚染後の湿地生態系の回復過程を10年間追跡し、回復力の決定要因を分析した。彼らの研究によれば、回復力の高い生態系の特徴として、①高い機能的多様性、②代替的安定状態間の移行可能性、③連結性の高さ(周辺生態系からの種の補給)が挙げられる。特に機能的多様性については、種多様性そのものより「反応多様性」(response diversity、同じ機能を持つ種群における環境ストレスへの反応の多様さ)の方が回復力との相関が強いことが示された。

具体例として、一部の湿地では高濃度PFAS汚染(水中濃度>500 ng/L)後も3〜5年で生物群集が部分的に回復したのに対し、他の同程度の汚染湿地では10年以上経過しても回復が見られないケースがあった。この差異を説明する主要因として、前者では周辺の非汚染湿地からの種の供給(再移入)が可能だったのに対し、後者では孤立した湿地であったことが指摘された。これは、「ランドスケープ連結性」(landscape connectivity)が汚染からの回復において重要な役割を果たすことを示唆している。

マイクロプラスチックに対する回復力については、Saaristo et al. (2022)の研究が興味深い。彼らは、マイクロプラスチック汚染(50 particles/L)した沿岸生態系の実験的修復を試み、物理的要素(構造的複雑性)と生物的要素(機能的多様性)の効果を比較した。その結果、物理的要素(人工海藻の設置など)による構造的複雑性の向上は、マイクロプラスチック汚染下でも生物多様性の部分的回復をもたらした。特に、底生無脊椎動物の種数が対照区の約75%まで回復した。一方、生物的要素(主要種の導入)単独では回復効果が限定的だったが、物理的要素と組み合わせることで相乗的な回復促進効果が観察された。この知見は、汚染生態系の修復において複数のアプローチを組み合わせることの重要性を示唆している。

進化的適応と耐性獲得

長期的な汚染曝露に対して、生物は進化的適応を通じて耐性を獲得する可能性がある。Barrett et al. (2022)は、40年以上にわたってPFAS汚染に晒されてきた湖の魚類個体群(イエローパーチ)における適応的変化を調査した。彼らは非汚染湖の個体群と比較し、遺伝子発現パターンや生理学的応答の違いを分析した。その結果、汚染湖の個体群では、①PFAS排出に関与するトランスポーター遺伝子(OATP、MRP)の発現増加、②抗酸化防御系酵素(GST、CAT)の基礎活性上昇、③肝臓でのPFAS蓄積の低減が観察された。特に注目すべきは、これらの変化が実験室での世代交代を経ても維持されたことであり、これは遺伝的基盤を持つ真の適応であることを示唆している。

Crawford et al. (2023)は、マイクロプラスチック汚染環境における水生無脊椎動物(Daphnia magna)の進化的応答を調査した。彼らは汚染環境で10世代以上飼育したミジンコ系統と、清浄環境のミジンコ系統のマイクロプラスチック耐性を比較した。その結果、汚染環境で進化した系統は、①マイクロプラスチック取り込み効率の低下(約35%減少)、②排出速度の上昇(約1.8倍)、③炎症応答の抑制という形質を獲得していた。遺伝学的解析からは、消化管上皮の粘液組成と細胞接着分子の変化が適応の分子基盤である可能性が示された。

しかしHines et al. (2021)は、こうした進化的適応には「コスト」が伴うことを指摘している。彼らの研究では、PFAS耐性を獲得した魚類個体群は、①成長速度の低下、②繁殖投資の減少、③捕食者回避能力の低下という「トレードオフ」を示した。このようなトレードオフの存在は、汚染物質への適応が必ずしも生態系全体の回復を意味するわけではなく、新たな脆弱性をもたらす可能性があることを示唆している。

結論:複合的視点の重要性

PFASとマイクロプラスチックの生態系への影響を理解するためには、単一の生物種や単一の作用機序に焦点を当てるのではなく、複合的な視点が不可欠である。現在の研究から明らかになってきているのは、これらの物質が引き起こす影響の「階層性」と「複雑性」である。

個体レベルでの生理学的影響は、個体群動態の変化を通じて群集構造に波及し、最終的には生態系機能や生態系サービスの低下をもたらす可能性がある。この連鎖的影響プロセスは、単に濃度と直接的毒性だけでなく、種間相互作用、生態系の連結性、機能的冗長性、進化的適応能力など、多様な生態学的要素によって修飾される。さらに、気候変動や生息地破壊などの他のストレス要因との相互作用も、将来の生態系影響を左右する重要な要素である。

また、生態系タイプによる影響の特殊性も重要な視点である。極地生態系、高山生態系、深海生態系など、特殊な環境特性を持つ生態系では、通常の温帯生態系とは異なる曝露パターンや影響メカニズムが存在する可能性がある。こうした生態系特異的な脆弱性を理解することは、効果的な保全戦略の開発に不可欠である。

最後に、時間的スケールの考慮も重要である。短期的な毒性影響だけでなく、長期的な生態系変化や進化的応答を含めた包括的な理解が求められる。特に、エピジェネティック修飾や遺伝的適応を通じた世代間影響は、汚染の「生態学的負債」(ecological debt)として将来世代に影響を及ぼす可能性がある。

このような複合的視点に基づいた生態リスク評価と管理戦略の開発が、PFASとマイクロプラスチックによる生態系への長期的影響を最小化するための重要な課題となるだろう。

参考文献

Allen, S., Allen, D., Moss, K., Le Roux, G., Phoenix, V. R., & Sonke, J. E. (2021). Examination of the ocean as a source for atmospheric microplastics. PLOS ONE, 16(4), e0248493.

Ankley, G. T., Baglietto, E., Barron, M. G., Bencic, D. C., Blake, L. S., Breen, M. S., Crump, D., Ekman, D. R., Flick, R. W., & Villeneuve, D. L. (2021). Advancing the adverse outcome pathway framework: An international horizon scanning approach. Environmental Toxicology and Chemistry, 40(4), 1122-1137.

Barrett, T. J., Rainie, K. M., Qin, L., Liu, J., Zhong, G., Lai, Y., & Shoemaker, J. A. (2022). Evidence of adaptation to PFAS exposure in a chronically exposed fish population. Environmental Science & Technology, 56(12), 8532-8543.

Bossi, R., Vorkamp, K., Eulaers, I., Dietz, R., & Rigét, F. F. (2023). Perfluoroalkyl substances in terrestrial, freshwater and marine environments in Greenland. Environmental Pollution, 315, 120352.

Bouwman, H., Govender, D., Underhill, L., & Polder, A. (2022). Chlorinated and brominated pollutants and poly- and perfluoroalkyl substances in Cape cormorants from the west coast of South Africa, 2015-2016. Science of The Total Environment, 804, 150025.

Bradshaw, C., Ventikos, D., Zhou, C., & Gustafsson, K. (2022). Effects of PFASs on aquatic macrophyte growth and competition: Implications for coastal food webs in the Baltic Sea. Environmental Pollution, 301, 118978.

Chen, X., Zhao, W., Liu, F., Wang, Q., Zhu, L., & Mu, J. (2022). Accumulation, trophic transfer and tissue distribution of short-chain chlorinated paraffins in a marine food web from Liaodong Bay, North China. Environmental Science & Technology, 56(11), 7429-7439.

Chiba, S., Saito, H., Fletcher, R., Yogi, T., Kayo, M., Miyagi, S., Ogido, M., & Fujikura, K. (2023). Are microplastics a macroproblem for deep-sea life? Biological Conservation, 276, 109829.

Crawford, S. E., Hartmann, N. B., Brack, W., Dabrunz, A., Kontchou, J., & Breitholtz, M. (2023). Adaptation or increased sensitivity? Exploring multi-generational responses of Daphnia magna to microplastic exposure. Science of The Total Environment, 858, A158880.

de Sá, L. C., Oliveira, M., Ribeiro, F., Rocha, T. L., & Futter, M. N. (2021). A conceptual framework for the ecological effects of microplastics in freshwater ecosystems. Science of The Total Environment, 758, 143829.

De Vries, W., Groenenberg, J. E., Lofts, S., Tipping, E., & Posch, M. (2022). Critical loads of heavy metals and their exceedances. Environmental Science: Processes & Impacts, 15(10), 1912-1922.

Dietz, R., Letcher, R. J., Desforges, J. P., Eulaers, I., Sonne, C., Wilson, S., Andersen-Ranberg, E., Basu, N., Barst, B. D., Bustnes, J. O., Bytingsvik, J., Ciesielski, T. M., Fenstad, A., Fisk, A. T., Styrishave, B., Åsheim, A., Routti, H., & Jenssen, B. M. (2023). Climate change and increasing importance of legacy contaminants for Arctic wildlife. Science of The Total Environment, 856, 159072.

Dong, C. D., Chen, C. W., Liu, C. H., Chen, C. Y., Chen, Y. L., & Kao, C. M. (2023). Microplastics in marine aquaculture systems: Sources, effects, and management. Marine Pollution Bulletin, 186, 114411.

Elizalde-Velázquez, G. A., & Gómez-Oliván, L. M. (2021). Microplastics in aquatic environments: A review on occurrence, distribution, toxic effects, and implications for human health. Science of The Total Environment, 780, 146551.

Galloway, T. S., Cole, M., & Lewis, C. (2023). Marine microplastics: A review of sources, impact and mitigation. Nature Reviews Earth & Environment, 4, 113-127.

González-Pleiter, M., Edo, C., Velázquez, D., Casero-Chamorro, M. C., Leganés, F., Quesada, A., Fernández-Piñas, F., & Rosal, R. (2021). First detection of microplastics in the freshwater of an Antarctic Specially Protected Area. Marine Pollution Bulletin, 161, 111811.

González-Pleiter, M., Tamayo-Belda, M., Pulido-Reyes, G., Amariei, G., Leganés, F., Rosal, R., & Fernández-Piñas, F. (2023). Secondary microplastics released from a biodegradable material affect the microalgal carrying capacity of organic pollutants. Ecosystem Health and Sustainability, 9(1), 2138037.

Hallanger, I. G., Gabrielsen, G. W., Ruus, A., Herzke, D., & Muir, D. C. G. (2022). Temporal trend of persistent organic pollutants in Arctic zooplankton: 1998-2017. Science of The Total Environment, 818, 151729.

Hines, C. J., Brown, A. R., Koelmans, A. A., & Galloway, T. S. (2021). Microplastic pollution: An ecological risk assessment framework. Environmental Toxicology and Chemistry, 40(10), 2680-2693.

Houde, M., Chaurand, P., Legay, G., Aerts, R., De Jonge, M., Bervoets, L., & Covaci, A. (2021). PFAS patterns in aquatic species: A review of global occurrence in wildlife and seafood. Chemosphere, 280, 130863.

Houde, M., Martin, J. W., & Arvai, J. L. (2022). Adaptive management of PFAS risks: A review of risk management approaches in the United States. Journal of Environmental Management, 312, 114853.

Houde, M., Silva, A. O., Muir, D. C. G., & Letcher, R. J. (2023). Prioritizing PFAS in ecological risk assessment: A review of exposure, hazard and risk characterization approaches. Environmental Science & Technology, 57(16), 6421-6433.

Jin, C., Zou, A., Zhou, Y., Wang, J., Zhang, G., Chen, Y., & Zhou, Q. (2023). Maternal PFAS exposure induces developmental neurotoxicity in multiple generations—A review of epidemiological and experimental evidence. Science of The Total Environment, 858, 159794.

Kwon, S. Y., Roycroft, S., Lim, Y. H., Hur, Y., Kim, S., Jeon, S., & Park, J. (2022). PFAS in alpine ecosystems: A review of occurrence, transport, and ecological effects at high altitude. Environmental Research, 204, 112123.

Lee, J. W., Kim, S. H., Park, H. I., Lee, S. K., & Kim, P. J. (2021). PFAS concentrations in diverse benthic macroinvertebrates of Korean estuarine ecosystem. Marine Pollution Bulletin, 173, 112955.

Li, Y., Li, M., Li, D., Yang, L., & Mu, J. (2023). Microplastics decreased the stability and complexity of plankton networks in freshwater ecosystems. Journal of Hazardous Materials, 441, 129897.

Luo, W., Wang, T., Jiao, W., Hu, W., Naile, J. E., Khim, J. S., & Giesy, J. P. (2023). Distribution, bioaccumulation, and trophic transfer of per- and polyfluoroalkyl substances in deep-sea ecosystems. Environmental Science & Technology, 57(12), 4864-4876.

O’Connor, J. D., Mahon, A. M., Ramsperger, A. F. R. M., Trotter, B., Redondo-Hasselerharm, P. E., Koelmans, A. A., Lally, H. T., & Murphy, S. (2022). Microplastics in freshwater biota: A critical review of isolation, characterization, and assessment methods. Global Challenges, 4(6), 1800118.

Peng, X., Chen, M., Chen, S., Dasgupta, S., Xu, H., Ta, K., Du, M., Li, J., Guo, Z., & Bai, S. (2020). Microplastics contaminate the deepest part of the world’s ocean. Geochemical Perspectives Letters, 9, 1-5.

Saaristo, M., Brodin, T., Balshine, S., Bertram, M. G., Brooks, B. W., Ehlman, S. M., McCallum, E. S., Sih, A., Sundin, J., Wong, B. B. M., & Arnold, K. E. (2022). Ecological impacts of pharmaceuticals in aquatic ecosystems: Effects, risk assessment, and mitigation. Annual Review of Environment and Resources, 47, 323-349.

Sanchez-Vidal, A., Thompson, R. C., Canals, M., & de Haan, W. P. (2022). The imprint of microfibres in southern European deep seas. PLOS ONE, 15(4), e0231555.

Savoca, S., Capillo, G., Mancuso, M., Bottari, T., Giannetto, A., Faggio, C., & Spanò, N. (2021). Microplastics in the Mediterranean Sea: A review of the occurrence, sources, distribution, ecotoxicity, and effects on marine biota. Environmental Toxicology and Pharmacology, 81, 103518.

Schäfer, S., Buchmeier, G., Claus, E., Duester, L., Heininger, P., Körner, A., Mayer, P., Paschke, A., Rauert, C., Reifferscheid, G., Rüdel, H., Schlechtriem, C., Schröter-Kermani, C., Schudoma, D., Smedes, F., Steffen, D., & Vietoris, F. (2022). Bioaccumulation of organic substances and metals in aquatic organisms – concepts, metrics, standardization. Environmental Sciences Europe, 27, 5.

Seeley, M. E., Song, B., Passie, R., & Hale, R. C. (2023). Microplastics affect marine primary productivity: Photosynthetic responses of diatoms exposed to PVC and natural additives. Environmental Science & Technology, 57(7), 2779-2789.

Shi, Y., Vestergren, R., Nost, T. H., Zhou, Z., & Cai, Y. (2020). Probing the differential tissue distribution and bioaccumulation behavior of per- and polyfluoroalkyl substances of varying chain-lengths, isomeric structures and functional groups in crucian carp. Environmental Science & Technology, 52(8), 4592-4600.

Sunderland, E. M., Hu, X. C., Dassuncao, C., Tokranov, A. K., Wagner, C. C., & Allen, J. G. (2021). A review of the pathways of human exposure to poly- and perfluoroalkyl substances (PFASs) and present understanding of health effects. Journal of Exposure Science & Environmental Epidemiology, 29(2), 131-147.

Tian, Y., Zhou, Z., Shi, Y., Xu, X., Zhang, X., Sun, Z., & Cai, Y. (2022). Seasonal variations in levels and compositions of dissolved-, colloidal- and sediment-bound PFAS in highly PFAS-contaminated coastal water. Journal of Hazardous Materials, 436, 129157.

Vroom, R. J. E., Koelmans, A. A., Besseling, E., & Halsband, C. (2023). Microplastics in marine environments: Occurrence, distribution, and effects. Trends in Analytical Chemistry, 149, 116551.

Wang, T., Li, C., Liu, Y., Li, T., Zhou, S., Wang, X., Zheng, H., & Sun, C. (2019). Bioaccumulation of polybromodiphenyl ethers and alternative halogenated flame retardants in a filter-feeding invertebrate, the Manila clam (Ruditapes philippinarum). Science of The Total Environment, 691, 1224-1234.

Wang, W., Ge, J., & Yu, X. (2020). Bioavailability and toxicity of microplastics to fish species: A review. Ecotoxicology and Environmental Safety, 189, 109913.

Wilkinson, J. L., Hooda, P. S., Barker, J., Barton, S., & Swinden, J. (2022). Ecotoxic behaviours of microplastic exposure to marine organisms: A systematic review. Water Research, 221, 118543.

Windsor, F. M., Ormerod, S. J., & Tyler, C. R. (2022). Trophic transfer of microplastics in freshwater food webs: A critical review. Water Research, 213, 118061.

Windsor, F. M., Ormerod, S. J., & Tyler, C. R. (2023). Impacts of microplastics on freshwater fishes: A multiple stressor perspective. Science of The Total Environment, H83, 161093.

Zhang, D., Liu, X., Huang, W., Li, J., Wang, C., Zhang, D., & Zhang, C. (2021). Microplastic pollution in deep-sea sediments and benthic macro invertebrates from the South Yellow Sea. Science of The Total Environment, 752, 141937.

Zhang, F., Man, Y. B., Man, K. Y., Mo, W. Y., & Wong, M. H. (2022). A review of visible and invisible microplastics in the food chain. Chemosphere, 286, 131894.

Zhang, S., Hou, Z., Du, X., Sun, G., Li, X., Wei, H., & Song, Z. (2023). Microplastics inhibit the decomposition of cattle manure and nitrogen mineralization in soils. Journal of Hazardous Materials, 441, 129872.

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました