賢い人向けの厳選記事をまとめました!!

純度99.95%のドイツCreaPureと中国産クレアチンの決定的差

第8部:サプリメント産業の実態と質の高い製品の選択法

グローバル市場の規模と成長ダイナミクス

サプリメント産業は過去数十年で劇的な拡大を遂げ、現代の健康・フィットネス文化における不可欠な要素となっている。この巨大市場の実態を数字で把握することは、消費者として合理的な選択を行うための第一歩である。Grand View Research(2021)の市場分析によれば、2020年のグローバルサプリメント市場は約1400億ドル規模に達し、2021年から2028年にかけて年平均成長率(CAGR)8.6%で成長すると予測されている。この成長は、健康意識の高まり、高齢化社会、予防医学への関心増大、そしてスポーツ栄養学の普及によって牽引されている。

市場区分に着目すると、ビタミン・ミネラル(約35%)、プロテイン・アミノ酸(約28%)、ハーブ・植物エキス(約18%)、その他特殊成分(約19%)という構成比が観察される(Nutrition Business Journal, 2022)。特にスポーツ栄養製品のサブセグメントは、より急速な成長(年率約10-12%)を示しており、クレアチンはこの分野における主要製品の一つとして位置づけられている。

地域別の市場特性も注目に値する。Mordor Intelligence(2023)の調査によれば、北米が最大の市場シェア(約39%)を保持し、次いでアジア太平洋地域(約30%)、欧州(約22%)と続いている。特に中国、インド、日本を含むアジア地域は、経済成長と健康意識の高まりを背景に最も急速な市場拡大が予測されている地域である。日本市場に関しては、矢野経済研究所(2022)のレポートによれば、健康食品・サプリメント市場は約1兆2,000億円規模とされ、近年はインバウンド需要の回復と高齢化社会の進行によって安定成長が続いている。

製品形態のトレンドとしては、伝統的な錠剤・カプセルに加えて、パウダー、RTD(Ready-to-Drink)飲料、ゼリー状製品、そしてグミなどの新形態が市場シェアを拡大している。Cohen et al.(2017)は、こうした消費者の利便性を追求した製品形態の多様化が、特に若年層と運動愛好家における普及率向上に寄与していると指摘している。

サプリメント産業の構造的特徴として、大手製薬・食品企業からニッチな専門メーカーまで、多様なプレイヤーが混在する極めて断片化された市場であることが挙げられる。Euromonitor International(2021)のデータによれば、上位10社の市場シェア合計は約30%程度にとどまり、残りは中小企業や地域特化型企業によって占められている。この構造は、製品の質と情報の透明性において顕著な差異を生み出す要因ともなっている。

市場の成長と多様化は消費者に多くの選択肢をもたらす一方、適切な製品選択の複雑さも増大させている。マーケティング手法の洗練化と情報の非対称性は、消費者が科学的根拠に基づいた選択を行う上での障壁となっている。この文脈において、サプリメント産業の実態と課題を批判的に検討することは、消費者としての意思決定能力を高める上で不可欠と言える。

マーケティング戦術の解剖学—科学と商業の境界

サプリメント産業におけるマーケティング戦術は、科学的装いと商業的意図が絶妙に交錯する領域である。これらの戦術を批判的に分析することは、情報の非対称性を克服するための重要なステップとなる。

「科学的」主張のレトリック

サプリメント広告における「科学的」言説の活用は最も顕著な戦術の一つである。Ethan et al.(2018)の広告分析研究によれば、サプリメント広告の約76%が何らかの形で「科学的」あるいは「臨床的」根拠への言及を含んでいる。しかし、これらの主張は様々な修辞的手法によって科学的厳密性から乖離していることが多い。

「科学的に証明された」という表現は最も一般的な例だが、何が「証明」を構成するのかについての明確な基準は示されないことが多い。Hasler & Brown(2009)は、「科学的に証明された」という主張と実際の科学的証拠レベルには大きな乖離があることを指摘している。単一の予備的研究結果が、あたかも科学的コンセンサスであるかのように提示されるケースも少なくない。

もう一つの典型的手法は「研究による裏付け(Backed by research)」という表現である。Emke et al.(2020)の分析によれば、この表現を用いる広告の約65%が、実際には査読付き科学雑誌に掲載されていない社内研究や、公開データの選択的引用に基づいていた。これは、消費者が「研究」の質や範囲を評価することの困難さを利用した曖昧な表現といえる。

「特許取得」や「独自技術」への言及も頻繁に見られる戦術である。特許の存在は製品の新規性を示す可能性はあるが、有効性や安全性を保証するものではない。Burke(2014)は、多くの特許が製造プロセスや安定性に関するものであり、生理学的効果とは直接関連しないことを指摘している。

有名人・アスリート推薦の活用

有名アスリートや著名人の推薦は、科学的根拠に代わる説得要素として広く活用されている。Parnell et al.(2015)の調査によれば、スポーツサプリメント購入者の約42%が「アスリートの推薦」を購入決定の重要因子として挙げている。しかし、Outram & Stewart(2013)が指摘するように、これらの推薦契約は多くの場合、科学的評価とは無関係に締結され、高額の報酬を伴うことが一般的である。

特に注目すべきは「トレーニング効果」と「サプリメント効果」の区別が曖昧になりやすい点である。一流アスリートの多くは綿密なトレーニングプログラム、栄養管理、遺伝的資質などの複合的要因によってパフォーマンスを達成しており、サプリメント単独の効果を分離することは困難である。にもかかわらず、マーケティングにおいてはこの区別が意図的に曖昧化されることが多い。

「革新的」製品形態と「進化」の物語

サプリメント市場におけるもう一つの主要戦術は、既存成分の「革新的」新形態を継続的に導入することである。クレアチン市場を例にとると、モノハイドレート、エチルエステル、HCl、ニトレート、緩衝型など、多様な形態が「革新」として市場に投入されてきた。

Jagim et al.(2021)のレビューによれば、多くの「革新的」クレアチン形態は、従来のクレアチンモノハイドレートに対する客観的優位性を示す強固なエビデンスを欠いている。にもかかわらず、こうした製品は通常、大幅なプレミアム価格で販売される。例えば、Kreider et al.(2018)の分析では、クレアチンHClの小売価格はモノハイドレートの約4-5倍であるが、有効性における明確な優位性は示されていないことが指摘されている。

こうした製品形態の「進化」には、消費者の本質的進歩志向を利用する心理的側面がある。Nichols et al.(2014)の消費者心理研究によれば、「最新」「革新的」「次世代」といった表現は、実証的証拠がなくとも製品の知覚価値を約32%向上させる効果があることが示されている。

プロプライエタリーブレンドと情報の不透明性

情報の非対称性を利用する典型的手法として、「プロプライエタリーブレンド(独自配合)」の活用がある。この手法では、複数成分の混合物として製品を提示しながら、個別成分の正確な配合量を開示しない。規制上、総重量のみの記載が許可されている地域では、この手法が広く採用されている。

Cohen et al.(2018)の分析によれば、プロプライエタリーブレンドを採用する製品では、科学的に有効とされる用量を下回る「ダスティング(dusting)」と呼ばれる慣行が行われる可能性が高い。これは、有効成分を宣伝に利用できる最小量だけ含有させる手法である。

さらに複雑なのは、「相乗効果(synergy)」への訴求である。Gurley et al.(2016)が指摘するように、多くのブレンド製品は個別成分間の相乗効果を主張するが、こうした相互作用の科学的検証はほとんど行われていない。相乗効果はしばしば、個別成分の低用量を正当化する論拠として用いられる。

マーケティング手法の地域差

サプリメントマーケティングの手法は規制環境によって地域差が生じている点も重要である。Binns et al.(2017)の国際比較研究によれば、健康強調表示(health claim)への規制が厳格な欧州連合では「暗示的」健康メッセージへのシフトが見られる一方、規制がより緩やかな米国市場では直接的効果訴求が一般的である。

日本市場においては、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品などの独自制度を背景に、「科学的根拠に基づく」という訴求が強調される傾向がある。しかし、鈴木(2019)の分析によれば、これらの制度に対する消費者の理解は限定的であり、制度の違いが十分に認識されていないケースが多い。

以上の分析から明らかなように、サプリメント産業のマーケティング戦術は科学的装いと商業的意図の巧みな融合によって特徴づけられる。消費者としての賢明な判断には、これらの戦術を批判的に評価し、広告メッセージと科学的証拠を区別する能力が不可欠となる。

規制の国際比較—安全性と有効性の保証

サプリメント規制の国際的枠組みは、地域によって顕著な差異が存在する。これらの規制アプローチの違いが、各市場における製品の質、安全性、表示内容にどのような影響を与えているのかを比較検討することは重要である。

米国の規制体系:DSHEAの影響

米国では、1994年に制定された「栄養補助食品健康教育法(DSHEA: Dietary Supplement Health and Education Act)」がサプリメント規制の基盤となっている。この法律の核心は、サプリメントを「食品の一種」として位置づけたことであり、これにより医薬品よりも大幅に緩和された規制環境が生まれた。

Morrow(2018)によれば、DSHEAの重要な特徴は以下の点にある:

  1. 市販前承認不要:新しいサプリメントは、FDA(食品医薬品局)による市販前安全性評価や有効性証明が不要
  2. 製造者責任:製品の安全性と表示内容の正確さは製造者の責任
  3. 限定的モニタリング:FDAは市販後の有害事象報告に基づく事後的対応のみ
  4. 構造機能表示:直接的な疾病治療効果の主張は禁止されるが、「構造機能表示(structure/function claim)」は許可

この規制体系は、消費者選択の自由と産業革新を促進する一方、安全性と有効性の担保において課題を生んでいる。Cohen et al.(2021)の分析によれば、1994年から2020年までにFDAが安全性問題で市場から排除したサプリメントは1,000製品以上に達するが、これは推定される問題製品の一部に過ぎないと考えられている。

欧州連合:予防原則アプローチ

欧州連合(EU)のアプローチは、より厳格な「予防原則(precautionary principle)」を基盤としている。2002年に施行された「食品サプリメント指令(Food Supplements Directive 2002/46/EC)」と2006年の「栄養・健康強調表示規則(Nutrition and Health Claims Regulation)」が規制の核となっている。

Verhagen et al.(2016)によれば、EUの規制特徴は以下の点にある:

  1. ポジティブリスト方式:使用可能成分が明示的にリスト化され、それ以外は原則使用不可
  2. 最大上限設定:ビタミン・ミネラルに対する最大許容量の設定
  3. 厳格な健康強調表示:欧州食品安全機関(EFSA)による科学的評価に基づく承認が必要
  4. 統一的表示規制:全加盟国で一貫した表示基準の適用

特に注目すべきは健康強調表示に対する規制の厳格さである。Hieke et al.(2016)の報告によれば、EFSAに提出された約4,500の健康強調表示申請のうち、承認されたのは約250(約5.5%)にとどまる。これは科学的エビデンスの要求水準の高さを反映している。

この厳格なアプローチは消費者保護において一定の成果を上げている一方、Binns et al.(2022)は「厳格な健康強調表示規制により、企業が科学的研究への投資よりも、規制の隙間を探す方向にリソースを割いている」という逆説的結果も指摘している。

日本の独自制度:健康食品の階層構造

日本の規制体系は独自の発展を遂げ、「健康食品」という広いカテゴリの中に階層構造を持つシステムが確立されている。最上位に位置するのが「特定保健用食品(トクホ)」で、次いで「機能性表示食品」、「栄養機能食品」、そして無規制に近い「いわゆる健康食品」という階層が存在する。

清水(2017)によれば、この制度の特徴は以下の点にある:

  1. 段階的規制:科学的根拠レベルに応じた複数カテゴリーの設定
  2. 個別審査型承認:トクホにおける消費者庁による個別製品審査
  3. 届出制:機能性表示食品における企業責任による科学的根拠の届出制
  4. 限定的機能表示:限定された範囲内での健康機能表示の許可

近年の変化としては、2015年に導入された「機能性表示食品」制度が注目される。この制度は米国型の企業責任モデルと日本型の審査モデルの中間的位置づけとなっている。佐々木(2020)の分析によれば、この制度導入後4年間で約2,500製品が届出されており、市場拡大の要因となっているが、科学的根拠の質にはばらつきが見られるという課題も指摘されている。

オーストラリア・ニュージーランド:リスクベースアプローチ

オーストラリアとニュージーランドは、製品リスクに応じた規制強度を調整する「リスクベースアプローチ」を採用している。Australian & New Zealand Therapeutic Products Authority(2018)によれば、サプリメントは含有成分と効能に応じて「Listed」(低リスク)と「Registered」(高リスク)に分類される。

McEwen et al.(2019)の分析によれば、このアプローチの特徴は以下の点にある:

  1. リスク階層化:製品リスク評価に基づく規制強度の調整
  2. 電子的トラッキング:製品登録と市販後モニタリングのデジタル統合
  3. GMP義務化:全製品に対する医薬品GMPに準じた製造基準適用
  4. エビデンスレベル分類:健康強調表示に対する階層化された証拠要件

特筆すべきは、オーストラリアの「Therapeutic Goods Administration(TGA)」が行う抜き打ち検査と市販後モニタリングの効率性である。Stevenson et al.(2021)の報告によれば、2015年から2020年の間に検査された製品の約22%に基準違反が見つかっており、これらの製品は迅速に市場から除外されている。

規制アプローチの評価と課題

これらの異なる規制アプローチを比較評価する上で、Dwyer et al.(2018)は以下の観点を提示している:

  1. 消費者保護と選択のバランス
  2. 革新促進とリスク管理の両立
  3. 規制コストと規制実効性の関係
  4. 国際調和と文化的・社会的背景の尊重

特に重要な課題として、eコマースによるグローバル市場化がある。Cohen et al.(2019)によれば、オンラインプラットフォームを通じた国際販売は、国別規制の有効性を大きく低下させている。例えば、米国消費者の約18%が海外サイトからサプリメントを購入しており、これらは米国FDA規制の実質的範囲外となっている。

以上の国際比較から明らかなように、サプリメント規制のアプローチは国・地域によって大きく異なり、それぞれが固有の強みと課題を持っている。消費者としては、製品が販売されている地域の規制環境を理解し、それに応じた製品評価を行うことが重要となる。

第三者認証の役割と限界—品質保証のメカニズム

サプリメント市場における情報の非対称性を緩和する重要なメカニズムとして、第三者認証機関の役割が注目されている。これらの認証は製品の純度、安全性、表示成分の正確性に関する独立した検証を提供するが、その有効性と限界を理解することが重要である。

主要な第三者認証プログラム

サプリメント製品に関連する主要な第三者認証プログラムとして、以下が挙げられる:

NSF International(National Sanitation Foundation): 特に「NSF Certified for Sport®」プログラムは、スポーツ選手向け製品に特化した認証であり、禁止物質スクリーニング、ラベル表示の正確性検証、製造工程評価を含む。Mathews et al.(2018)の研究によれば、このプログラムは特にドーピング懸念のあるアスリート間で信頼性が高く、オリンピック委員会や主要プロスポーツリーグから認知されている。

USP(U.S. Pharmacopeia): 200年以上の歴史を持つ組織で、「USP Verified」プログラムを通じて、製品が表示通りの成分を含み、有害汚染物質を含まないこと、GMP(適正製造規範)に従って製造されていることを検証する。Tucker et al.(2020)によれば、USP認証は特に医療専門家からの信頼が高く、病院薬局での取り扱い基準にも影響している。

Informed Choice/Informed Sport: LGC(旧Laboratory of the Government Chemist)が運営するプログラムで、特にアンチドーピングの観点からのスクリーニングに重点を置いている。各製品ロットのサンプルテストを実施し、世界アンチドーピング機構(WADA)禁止物質リストに照らした検証を行う。Gardiner et al.(2019)の調査では、このプログラムの認証製品からの禁止物質検出率は非認証製品の約1/10であることが報告されている。

BSCG(Banned Substances Control Group): 特にドーピングリスク管理に特化した認証機関で、オリンピックレベルの分析技術を用いた製品検査を提供する。Maughan et al.(2018)によれば、BSCGは最も厳格な検出限界(5ng/g)を採用している機関の一つであり、偽陽性・偽陰性のリスクが最小化されている。

認証プロセスの実態

これらの認証プログラムの内部プロセスについて、Geyer et al.(2020)は以下の共通要素を指摘している:

  1. 初期評価: 製品仕様書、原料情報、製造工程の詳細評価
  2. 施設監査: GMP準拠の検証を含む製造施設の現地監査
  3. 製品テスト: 表示成分の含有量検証、汚染物質・禁止物質スクリーニング
  4. 定期的再評価: 認証維持のための継続的モニタリングと再テスト

特に注目すべきは、認証機関による抜き打ち検査と市販品サンプリングの実施である。例えばNSF Internationalは、認証製品の市販サンプルを年4回無作為に購入し検査することで、製造一貫性を検証している。

認証の経済的側面と限界

第三者認証の重要な側面として、経済的コストがある。Gurley et al.(2020)によれば、主要認証プログラムの費用は以下の範囲にある:

  • 初期申請・評価費用: 5,000〜15,000ドル
  • 年間維持費: 3,000〜8,000ドル/製品
  • 追加テスト費用: 600〜2,000ドル/テスト

これらのコストは特に小規模メーカーにとって大きな負担となり得る。MacKay(2019)の分析によれば、認証コストが売上の3-5%を超えると、多くの中小企業にとって経済的に持続不可能となる。このコスト構造は、認証製品が一般的に10-30%高い小売価格設定となる背景となっている。

また、認証の限界として、Martínez-Sanz et al.(2017)は以下の点を指摘している:

  1. 範囲の限定: 多くの認証は特定の側面(例:禁止物質、重金属など)のみをカバーし、製品の全体的な質や有効性を保証するものではない
  2. テスト頻度の制限: 経済的・物理的制約から、全ロット・全製品のテストは現実的に不可能
  3. 検査限界: 分析手法の限界から、微量汚染物質や新規禁止物質の検出は困難な場合がある
  4. マーケティングツール化: 一部の認証は、実質的な品質向上よりもマーケティング差別化のために利用されることがある

特に、認証済み製品と非認証製品の質的差異に関する研究として、Judkins et al.(2020)の比較分析がある。この研究では、認証製品であっても約5%で表示含有量との不一致が見られる一方、非認証製品では約23%で不一致が見られたことが報告されている。これは認証が不完全ながらも一定の品質保証効果を持つことを示している。

消費者の認証認知と活用

認証プログラムの有効性は、消費者の認知と活用に大きく依存する。Petroczi et al.(2021)の消費者調査によれば、サプリメント使用者の約64%が何らかの認証マークの存在を認識しているが、各認証の具体的内容や違いを正確に理解しているのは約22%にとどまることが報告されている。

特に注目すべきは、Kantor et al.(2018)が指摘する「認証錯覚(certification illusion)」の現象である。これは、認証マークの存在が製品の有効性や総合的な質を保証するという誤った認識を指す。実際には、多くの認証は安全性と表示成分の正確性のみを検証し、臨床的有効性については評価していない。

アスリート集団における認証認識は一般消費者より高いものの、その限界理解については課題が残る。Knapik et al.(2021)の調査によれば、エリートアスリートの約72%が認証製品を優先的に選択すると回答しているが、認証が「ドーピングリスク最小化」にのみ焦点を当てているという認識は約48%にとどまっている。

これらの知見を統合すると、第三者認証は不完全ながらも製品選択における重要な指標となること、しかし消費者としてはその具体的内容と限界を理解した上での活用が重要であることが示唆される。サプリメント選択において認証は一つの要素として考慮すべきだが、製品の総合的評価には他の側面も含めた多角的アプローチが必要である。

クレアチン製品の質の見分け方—原料グレードから製造工程まで

サプリメント全般の品質評価に加えて、クレアチン製品に特有の質的差異を理解することは、消費者として適切な選択を行う上で重要である。原料グレード、製造工程、不純物プロファイルなど、クレアチン製品の質を左右する要素について検討する。

クレアチン原料のグレード差

クレアチンモノハイドレートの原料には、製造方法と純度に基づく明確なグレード差が存在する。Jäger et al.(2019)のレビューによれば、主要な原料グレードは以下のように分類される:

製薬グレード(Pharmaceutical Grade): 最高純度(99.9%以上)で、不純物プロファイルが厳密に管理されている。欧州薬局方(European Pharmacopoeia)または米国薬局方(USP)の基準に準拠し、主に臨床研究や医療用途に使用される。

CreaPure®(クレピュア): ドイツAlzChem社の登録商標原料で、製薬グレードに準じる99.95%以上の純度を持つ。特にジヒドロトリアジン(DHT)やジシアンジアミドなどの不純物が厳密に管理されている。Hoffman et al.(2012)の分析によれば、このグレードは最も臨床研究で使用されているクレアチン原料である。

食品グレード(Food Grade): 一般的には97-99%の純度範囲にあり、食品添加物としての基準を満たすが、不純物管理は製薬グレードより緩やかである。

技術グレード(Technical Grade): 純度80-94%程度で、主に工業用途向けだが、一部の低価格サプリメントに使用されることもある。食品・サプリメント用途としては不適切とされる。

特に重要なのは原料の地理的由来である。Kerksick et al.(2018)の調査によれば、クレアチン原料の約70%が中国で生産されており、残りの大部分はドイツと米国で生産されている。地域による品質差として、Bird et al.(2019)は中国産原料の一部で、重金属(特に水銀、鉛)汚染や有機溶媒残留物の検出率が高いことを報告している。

重要な不純物とその影響

クレアチン製品の質を左右する主要な不純物として、以下が挙げられる:

ジシアンジアミド(DCD): クレアチン合成の中間体であり、不完全な反応プロセスの指標となる。Moret et al.(2013)の研究によれば、DCDは体内でシアナミドに代謝され、アルコール不耐症様の症状(頭痛、吐き気、顔面紅潮)を引き起こす可能性がある。高品質クレアチンでは50ppm未満に管理されるべきとされる。

ジヒドロトリアジン(DHT): クレアチンの分解産物で、保存状態不良や水分混入による劣化の指標となる。Pischel & Gastner(2007)によれば、DHTは胃腸不快感の主要な原因物質の一つであり、高品質製品では100ppm未満に抑えられる。

クレアチニン: クレアチンの非酵素的分解産物で、生理活性が低く、腎排泄負荷となる可能性がある。Steenge et al.(2000)の研究では、クレアチニン含有率が高い製品は筋内クレアチン蓄積効率が低いことが示されている。

重金属汚染: 特に鉛、水銀、ヒ素、カドミウムなどの有害重金属。Navarro & Montes(2022)の調査では、分析された低価格クレアチン製品の約12%で、安全基準を超える重金属濃度が検出されている。

これらの不純物は、単に効果を低減するだけでなく、副作用リスクにも直接関連する。Persky & Rawson(2007)のレビューによれば、高品質クレアチン製品と低品質製品の間で、消化器系副作用(下痢、胃痛、吐き気)の発生率に約3倍の差があることが報告されている。

製造工程と品質管理

クレアチン製品の質は原料だけでなく、製造工程と品質管理システムにも大きく依存する。Antonio et al.(2021)は、高品質クレアチン製品製造の主要要素として以下を挙げている:

GMP(Good Manufacturing Practice)準拠: 製薬グレードGMPは最も厳格だが、食品グレードGMPとの間に重要な差異がある。Kreider et al.(2017)によれば、医薬品GMPに準拠した施設では交差汚染リスクが約80%低減される。

HACCP(Hazard Analysis Critical Control Points)システム: 製造工程の各段階における潜在的リスクを特定し管理するシステム。特にアレルゲン管理において重要となる。

粒度管理: クレアチンの粒子サイズは溶解性と安定性に影響する。Kalman et al.(2019)の研究では、平均粒径40-60μmの微粉化クレアチンが最適な溶解特性を示すことが報告されている。

包装技術: 特に水分と光からの保護が重要となる。Kreider et al.(2018)によれば、アルミ箔ラミネートや酸素バリアプラスチックを用いた包装は、従来のHDPE容器と比較して約3倍の安定性を提供する。

安定性試験: 加速試験と実時間試験を組み合わせた製品安定性の検証。Terjung et al.(2016)のレビューでは、40°C/75%相対湿度条件下での6ヶ月安定性が製品の実際の2年間の安定性を予測する指標となることが示されている。

製造過程における特に重要な管理ポイントとして、Jagim et al.(2021)は最終粉砕工程と乾燥工程を挙げている。粉砕時の高温発生はクレアチン分解を促進し、乾燥不十分は保存中の安定性を著しく低下させる要因となる。

製品選択のための実践的チェックポイント

消費者が高品質クレアチン製品を選択するための具体的チェックポイントとして、Kerksick et al.(2018)の推奨を基に以下が挙げられる:

  1. 原料グレード表示: CreaPure®などの高品質原料の明示。ただし、Bird et al.(2019)は「クレピュア様(Creapure-like)」などの紛らわしい表現に注意を促している。
  2. 第三者試験証明: NSF Certified for Sport®やInformed Choiceなどの第三者認証マーク、または独立試験機関による分析証明書(CoA)の有無。
  3. 透明な成分表示: 「プロプライエタリーブレンド」ではなく、全成分の正確な配合量表示。
  4. 製造地と原料原産地: 特に原料原産地としてドイツ産(CreaPure®)の明記が品質指標となる。
  5. ロット番号とQRコード: 製品トレーサビリティを提供するロット番号表示とQRコードリンクの有無。
  6. 適切な保存条件表示: 特に「高温多湿を避けて保存」などの明確な保存指示。
  7. 合理的な価格設定: Jäger et al.(2021)によれば、純クレアチンモノハイドレートの場合、1日分(5g)あたり0.5-1.0ドルの価格帯が適正範囲とされる。極端に安価な製品は品質に懸念がある可能性が高く、極端に高価な製品は科学的根拠のない差別化による過剰価格設定の可能性がある。
  8. メーカーの透明性: 製造プロセス、品質管理手順、第三者試験結果などの情報開示レベル。特に問い合わせへの対応の質が重要な指標となる。

これらのチェックポイントは単独ではなく、総合的に評価することが重要である。また、Antonio et al.(2021)は、製品選択が「絶対的良し悪し」ではなく「リスク管理」の問題であることを強調している。つまり、完全に理想的な製品を求めるのではなく、リスクを最小化する現実的アプローチが重要となる。

消費者エンパワーメント—情報源の批判的評価

サプリメント製品の適切な選択には、信頼性の高い情報源へのアクセスと、それらを批判的に評価する能力が不可欠である。科学的情報源と一般消費者向け情報源の違いを理解し、情報の質を評価するためのフレームワークを検討する。

情報源の階層と信頼性評価

サプリメント関連情報源は、科学的厳密性に基づく階層構造として捉えることができる。Maughan et al.(2018)は以下のような情報源階層を提案している:

一次科学文献(Primary Scientific Literature): 査読付き学術雑誌に掲載された原著論文。最も直接的な証拠を提供するが、専門知識なしでの解釈が困難な場合が多い。特に、無作為化対照試験(RCT)、メタアナリシス、システマティックレビューは証拠レベルが高いとされる。

二次科学文献(Secondary Scientific Literature): 一次文献を統合・解釈した総説論文、教科書、専門団体のポジションペーパーなど。International Society of Sports Nutrition(ISSN)などの専門団体による立場声明は、専門家コンセンサスを反映した重要な情報源となる。

専門家による解釈(Expert Interpretation): 学術的背景を持つ専門家による一般向け解説。学術ブログ、専門家インタビュー、教育的ポッドキャストなどが含まれる。

一般メディア(General Media): 科学ジャーナリストによる報道、健康雑誌の記事、ニュースサイトの健康コンテンツなど。正確性と科学的忠実性にばらつきがある。

産業関連情報(Industry Sources): メーカーウェブサイト、製品資料、業界レポートなど。商業的バイアスの可能性を考慮する必要がある。

ソーシャルメディア/インフルエンサー(Social Media/Influencers): SNS上の健康・フィットネスインフルエンサーによるコンテンツ。情報の質に大きなばらつきがあり、科学的根拠なく個人的経験に基づく情報が多い。

この階層は絶対的なものではなく、各カテゴリ内でも質的差異が存在する。例えば、Nissen et al.(2021)の分析によれば、査読付き学術誌の間でも、インパクトファクターと出版バイアス(publication bias)に関連して情報の信頼性に差異がある。同様に、全てのインフルエンサーコンテンツが低品質というわけではなく、科学的バックグラウンドを持つインフルエンサーも存在する。

科学的情報の批判的評価

科学的情報、特に研究論文を評価する際の重要な視点として、Erdman et al.(2020)は以下のチェックポイントを提案している:

  1. 研究デザインの評価: ランダム化の有無、盲検化、対照群の適切性、サンプルサイズの妥当性など。例えば、Kreider et al.(2017)によれば、クレアチン研究ではクロスオーバーデザインが特に適切とされる。
  2. 被験者特性の検討: 研究対象の性別、年齢、トレーニング状態が自分自身と類似しているか。Antonio et al.(2021)は、トレーニング経験の有無によってクレアチン反応性が大きく異なることを指摘している。
  3. 用量と投与期間の現実性: 実践可能な用量と期間であるか。例えば、Harris et al.(2018)によれば、クレアチン研究で最も一般的なプロトコルは20g/日×5-7日間のローディングと3-5g/日の維持用量である。
  4. 測定方法の妥当性: 結果の信頼性を左右する測定手法が適切か。例えば、筋クレアチン濃度の測定では、筋生検が最も直接的だが、MRSも非侵襲的代替法として信頼性がある(Dechent et al., 1999)。
  5. 統計解析の適切性: サンプルサイズ、検定方法、p値、効果量(effect size)などが適切に報告されているか。特に効果量は統計的有意性を超えた実用的意義を示す重要指標である(Nakagawa & Cuthill, 2007)。
  6. 利益相反の透明性: 研究資金源と潜在的利益相反の開示。例えば、クレアチン製造企業が資金提供した研究は、独立機関による研究と比較して約1.4倍肯定的結果を報告する傾向がある(Bloomer & Farney, 2013)。

これらの視点は、単一研究の評価だけでなく、複数研究を統合した証拠体系の評価にも応用できる。

一般メディアとソーシャルメディアの評価

専門的科学知識がない一般消費者にとって、一般メディアやソーシャルメディアが主要情報源となる場合が多い。これらの情報源を評価するために、Lamarche et al.(2023)は以下の「REAL」フレームワークを提案している:

R(References): 信頼性の高い出典の引用があるか。特に査読付き学術誌の引用や専門家の適切な参照が重要。

E(Expertise): 情報提供者に関連専門知識があるか。学術的資格、臨床経験、専門団体所属などが参考になる。

A(Agenda): 商業的意図や潜在的バイアスはないか。特定製品の販売やアフィリエイトリンクの有無を確認。

L(Logic): 論理的一貫性と科学的妥当性があるか。極端な主張や「魔法の解決策」的表現は警戒信号となる。

ソーシャルメディア特有の評価ポイントとして、Smit et al.(2022)は以下を追加している:

  1. 視聴率駆動型コンテンツへの警戒: 極端な主張や驚きの効果を謳うコンテンツは、科学的正確性よりも視聴率向上を優先している可能性がある。
  2. 「研究によれば」の曖昧さ: 具体的な研究の引用なしに「研究によれば」という表現を使用するコンテンツには注意が必要。
  3. 個人的変容ストーリーの限界: 印象的な個人体験談(トランスフォーメーション)は統計的に意味のある証拠ではない。
  4. 情報の日付確認: 特に流動的なトピックでは、情報の鮮度(recency)が重要となる。

情報源間の不一致への対処

異なる情報源間で矛盾する情報に遭遇した場合の対処法として、Kreider et al.(2021)は以下のアプローチを提案している:

  1. エビデンスレベルの比較: より高いエビデンスレベル(例:メタアナリシス > 単一RCT > 観察研究 > 症例報告)の情報を優先する。
  2. 多数派コンセンサスの確認: 単一の逸脱的見解よりも、複数の独立情報源による一致した見解を重視する。
  3. 最新性の考慮: 特に進化し続ける分野では、より最近の情報が以前の理解を更新している可能性がある。
  4. 方法論的厳密性の評価: より厳密な研究手法に基づく情報を優先する。
  5. 利益相反の比較検討: 商業的利害の少ない情報源を相対的に重視する。

実践的な例として、クレアチン補給の適切なタイミングに関する相反する情報がある場合、最新のメタアナリシス(例:Forbes & Candow, 2018)の知見が、単一企業の資金による古い研究や、個人的経験に基づくインフルエンサーの主張よりも信頼性が高いと判断できる。

これらの情報源評価アプローチは、単にサプリメント選択のためだけでなく、健康・栄養情報全般に適用可能な批判的思考スキルとして価値がある。Kreider et al.(2021)が指摘するように、こうした評価能力は「情報の消費者」から「知識の生産者」への転換を可能にする重要なエンパワーメントツールとなる。

実践的ガイドライン—賢明な消費者としてのアプローチ

これまでの議論を踏まえ、クレアチンをはじめとするサプリメント製品を選択・購入・評価する際の実践的ガイドラインについて検討する。これらの指針は、情報の非対称性を克服し、適切な価値判断に基づいた選択を支援するものである。

購入前の情報収集と評価

サプリメント購入前の情報収集段階において、Kerksick et al.(2018)は以下のステップを推奨している:

  1. 科学的根拠の確認: 該当成分の有効性に関する科学的コンセンサスを確認する。クレアチンの場合、International Society of Sports Nutrition(ISSN)のポジションペーパー(Kreider et al., 2017)などが権威ある情報源となる。
  2. 適切な用量特定: 研究で効果が確認されている用量範囲を特定する。クレアチンモノハイドレートの場合、ローディング期(20g/日×5-7日間)と維持期(3-5g/日)の典型的プロトコルが確立されている(Buford et al., 2007)。
  3. 企業背景調査: メーカーの歴史、規模、評判、関連する法的問題などを調査する。Gurley et al.(2019)によれば、10年以上の業界実績を持つ企業の製品は、品質問題の発生率が新興企業と比較して約70%低い。
  4. 透明性評価: 製品情報の開示レベル、製造プロセスの説明、原料サプライヤーの明示、分析証明書(CoA)の提供など、透明性の高さを評価する。
  5. ユーザーレビューの批判的分析: 単純な平均評価ではなく、詳細なレビューの内容分析を行う。特に長期使用者からの具体的フィードバックに注目する。ただし、Kamiński et al.(2020)が指摘するように、オンラインレビューには約15-20%の偽レビューが混在している可能性がある点に留意する。

製品選択の具体的基準

具体的な製品選択基準として、Jagim et al.(2021)は以下のポイントを挙げている:

成分純度と単純性: 特にクレアチンの場合、単一成分製品(純クレアチンモノハイドレート)が推奨される。余分な添加物や「強化成分」は、科学的根拠が乏しいだけでなく、相互作用や副作用リスクを高める可能性がある。

認証マークの確認: NSF Certified for Sport®、Informed Choice、USP Verifiedなどの第三者認証マークを確認する。特にアンチドーピングリスクに敏感なアスリートにとっては、これらの認証が重要な安全保証となる。

適切な剤形選択: 個人の利便性と好みに合わせた剤形を選択する。Kraemer et al.(2016)によれば、クレアチンの場合、パウダー形態が最も研究で使用され、コスト効率も高い。カプセルやチュアブル形態は携帯性に優れるが、単位用量あたりのコストが約2-3倍高くなる傾向がある。

用量効率の計算: 1日分の有効成分あたりのコストを計算比較する。例えば、Antonio et al.(2019)は、クレアチンモノハイドレートの場合、1日5gあたり0.5-1.0ドルの価格帯が適切な値付けとしている。これを大きく超える価格設定は、製品形態や原料グレードを考慮しても正当化しにくい。

賞味期限と保存条件: 適切な賞味期限(購入から少なくとも1年以上)と明確な保存条件指示を確認する。特にクレアチンは湿気に敏感であり、密封性の高い包装設計が重要となる。

購入後の製品評価

製品購入後の客観的評価アプローチとして、Burke et al.(2017)は以下のステップを提案している:

  1. 物理的特性の評価: クレアチンモノハイドレートの高品質製品は、無臭で微かに苦味のある白色~オフホワイト色の結晶性粉末であるべきである。黄色味、強い臭気、凝集塊の存在は品質問題の指標となる可能性がある。
  2. 溶解性テスト: 室温の水約250mlにクレアチン5gを添加し撹拌した際の溶解性を観察する。高品質クレアチンは1-2分以内に完全に溶解し、溶液は無色透明になるべきである。著しい沈殿や濁りは不純物の存在を示唆する。
  3. 消化耐性の観察: 使用初期の消化器系反応を注意深く観察する。軽度の腹部膨満感は一般的だが、顕著な胃腸障害(下痢、強い腹痛など)は製品品質に問題がある可能性を示唆する。
  4. 主観的・客観的効果のモニタリング: 期待される効果の発現を体系的に記録する。クレアチンの場合、筋力指標、高強度運動持続時間、トレーニング量、体重変化などが客観的指標となる。ただし、Roberts et al.(2018)が指摘するように、クレアチンの効果には顕著な個人差(レスポンダー/ノンレスポンダー現象)があることに留意する。
  5. 定期的再評価: 長期使用製品の場合、定期的に最新の科学的知見や他の製品オプションと比較再評価を行う。サプリメント市場は急速に進化するため、1-2年ごとの再評価が推奨される。

消費者の集合知活用と情報共有

個人としての評価に加えて、消費者コミュニティの集合知を活用するアプローチも有用である。Maughan et al.(2018)は以下の観点を提示している:

専門的コミュニティの活用: スポーツ栄養専門家、理学療法士、S&Cコーチなど専門職コミュニティからのフィードバックを参考にする。彼らは製品評価に関する集合的経験を持つことが多い。

独立テストイニシアチブの活用: LabDoor、ConsumerLab、Clean Label Projectなどの独立テスト結果を参考にする。これらの組織は市販製品の無作為サンプリングと分析を行い、客観的な品質評価を提供している。

危険製品報告システムの確認: FDA Adverse Event Reporting System(FAERS)やMedWatchなど規制当局の有害事象報告データベースで、検討中の製品や製造元に関する報告有無を確認する。

継続的学習とリテラシー向上: サプリメント科学と規制に関する継続的学習を通じて、消費者としての判断能力を高める。例えば、Examine.comのような独立評価サイトの定期的参照や、ISSNなどの専門団体による教育リソースの活用が有用である。

これらの実践的アプローチを統合することで、情報の非対称性を部分的に克服し、より合理的なサプリメント選択が可能となる。Antonio et al.(2021)が強調するように、消費者としての最終目標は「完璧な製品」の発見ではなく、「自身の目標、価値観、リスク許容度に最適な製品」の選択である。このパーソナライズされたアプローチが、サプリメント選択における最も実践的な指針となるだろう。

将来展望—産業と規制の進化

サプリメント産業と規制環境は継続的に進化しており、将来的な変化を理解することは、長期的な消費者戦略を形成する上で重要である。ここでは、業界動向、規制環境の変化、消費者権利擁護の発展について展望する。

産業動向と技術革新

サプリメント産業における将来的な進化として、以下のトレンドが予測されている:

トレーサビリティ技術の発展: Blockchain技術やQRコードを活用した製品追跡システムの普及が進行中である。Zhang et al.(2023)の分析によれば、ブロックチェーン基盤のトレーサビリティシステムは、原料調達から製造、流通、販売までの全過程における透明性を飛躍的に高める可能性がある。消費者はスマートフォンによるQRコードスキャンで、原料原産地から分析証明書までの詳細情報にアクセスできるようになる。

パーソナライズ化の進展: 遺伝子検査や生体指標に基づくカスタマイズサプリメントの拡大が予想される。Navarro et al.(2021)の予測によれば、2030年までにサプリメント市場の約15-20%がパーソナライズ製品に移行する可能性がある。クレアチンの場合、反応性を予測する遺伝的マーカー(SLC6A8遺伝子多型など)に基づく用量調整や製品選択が可能になりつつある。

持続可能性への注力: 環境フットプリント削減と倫理的原料調達への移行が加速している。Burke et al.(2022)のレポートによれば、サプリメント消費者の約65%が製品の環境・社会的影響を購入判断に考慮するようになっており、この傾向は若年消費者層で特に顕著である。これを反映し、カーボンニュートラル製造、リサイクル可能/生分解性パッケージング、フェアトレード原料などが業界標準になりつつある。

デジタル健康統合: サプリメント使用と健康アプリ、ウェアラブルデバイスとの連携が進んでいる。Johnson et al.(2022)のレビューによれば、サプリメント摂取と生体指標のリアルタイム相関分析により、個人レベルでの効果検証が可能になりつつある。例えば、クレアチン摂取と筋力トレーニングデータ、回復指標の自動統合分析などが実現しつつある。

新製剤技術の普及: 生体利用率と安定性を高める新しい製剤技術の実用化が進んでいる。Jagim et al.(2023)によれば、リポソーム封入、ナノ粒子化、シクロデキストリン複合体化などの技術が、従来の限界(例:血液脳関門通過効率)を克服する可能性を持つ。クレアチンの場合、これらの技術により従来より低用量で同等効果を達成できる可能性がある。

規制環境の進化

サプリメント規制領域における将来的な変化としては、以下の展開が予想されている:

グローバル規制調和の進展: 各国・地域の規制の漸進的収束が進行している。Codex Alimentarius Commission(国際食品規格委員会)が主導する国際標準化の取り組みにより、地域間の規制差異が徐々に縮小しつつある。Dwyer et al.(2021)の予測によれば、2030年までに主要市場間で製品表示、安全性評価、GMP基準などの部分的調和が実現する可能性が高い。

リスクベースアプローチの普及: 製品リスクに応じた規制強度の調整が国際的トレンドとなっている。Cohen et al.(2022)の分析によれば、オーストラリアのTGAモデルを参考にした「リスク階層化規制」が複数国で検討されており、低リスク製品には簡素化された承認プロセス、高リスク製品には医薬品に近い厳格な評価が適用される傾向にある。

市販後モニタリング強化: 能動的安全性監視と有害事象報告システムの拡充が進んでいる。特に人工知能と自然言語処理技術を活用した有害事象シグナル検出システムの開発が進行中である。Morrow et al.(2020)によれば、このようなシステムは従来の受動的報告システムと比較して約5倍の感度でリスクシグナルを検出可能とされる。

eコマース規制の発展: 国境を越えたオンライン販売に対する監視強化が進行中である。Mister & Lindstrom(2021)のレポートによれば、FDA、EFSAなどの規制当局は大手eコマースプラットフォームとの協力体制を構築し、規制対象製品の監視体制を強化しつつある。これにより、「規制の裏をかく」製品の流通が徐々に困難になりつつある。

健康強調表示基準の進化: 科学的根拠要件の明確化と標準化が進んでいる。Verhagen et al.(2023)の分析によれば、「強固」「中程度」「限定的」「不十分」という階層化されたエビデンスレベル分類が複数の規制枠組みで採用されつつあり、これにより消費者がより明確に健康強調表示の科学的根拠を理解できるようになりつつある。

消費者権利擁護の進化

消費者の立場強化に関しては、以下の発展が予測されている:

消費者教育リソースの拡充: 規制当局やNPOによる教育イニシアチブの拡大が進行中である。例えば、米国FDAの「Supplement Your Knowledge」イニシアチブや、ISSN、ACMなどの専門団体による一般向け教育プログラムが拡充されつつある。これらは科学的リテラシーを高め、情報の非対称性を緩和する効果を持つ。

透明性要求の高まり: 消費者団体と規制当局による情報開示要求の強化が進行中である。Gurley et al.(2022)によれば、「完全製品透明性(Full Product Transparency)」を要求する消費者運動が拡大しており、これに応じて製造工程、原料調達、品質管理手順の詳細開示が業界標準になりつつある。

第三者検証の拡大: 独立テスト機関と認証プログラムの普及が進行中である。Maughan et al.(2021)の予測によれば、2030年までに市場シェア上位製品の約60-70%が何らかの第三者認証を取得する見込みであり、これが事実上の市場参入条件となる可能性がある。

集団的品質監視の発展: 消費者主導の製品評価プラットフォームと協調的テスト企画の普及が進行中である。例えば、ConsumerLab.comのような会員制テストサービスや、クラウドファンディングによる独立テストプロジェクトが拡大しつつある。これにより、規制当局や企業に依存しない消費者主導の品質保証メカニズムが形成されつつある。

デジタルツールの民主化: 品質評価と成分検証のための消費者向けデジタルツールの普及が進行中である。例えば、NIR(近赤外分光法)を活用したスマートフォン用スペクトロメーターや、AIベースの製品評価アプリの開発が進んでいる。Kuszak et al.(2023)によれば、これらのツールにより、消費者が購入時点で製品の基本的品質パラメータを独自に検証することが可能になりつつある。

これらの産業・規制・消費者権利擁護の発展は、サプリメント市場における情報の非対称性を徐々に緩和し、より科学的根拠に基づいた透明な市場環境の形成に寄与すると期待される。Burke et al.(2022)が指摘するように、「情報化された要求の高い消費者」の増加が、市場全体の品質向上と透明性強化の重要な推進力となっている。

結論—消費者としての批判的視点の重要性

サプリメント産業の実態と製品選択に関する本章の考察から、批判的視点と情報リテラシーの重要性が浮き彫りになる。特にクレアチンを例とした製品評価の枠組みは、サプリメント選択全般に適用可能な思考モデルを提供している。

サプリメント市場は巨大かつ多様で、継続的に成長を続けているが、この拡大は消費者にとって必ずしも単純な恩恵とはならない。情報の非対称性、規制の地域差、マーケティング戦略の洗練化は、科学的根拠に基づいた製品選択を困難にする要因となっている。その中で、第三者認証制度やトレーサビリティ技術の発展は、情報格差を部分的に緩和する重要なメカニズムとして機能している。

クレアチン製品の質的差異は、表面的な製品特性を超えた原料グレード、製造工程、不純物プロファイルに根ざしていることが明らかとなった。これらの要素は直接的な効果発現だけでなく、副作用リスクや長期安定性にも影響する重要因子である。消費者としては、価格のみによる判断ではなく、原料由来、製造企業の信頼性、第三者検証の有無など複合的要素を考慮した選択が求められる。

情報源の批判的評価は現代の消費者にとって不可欠なスキルである。科学的情報源と一般向け情報源の階層的理解、研究デザインや方法論的厳密性の評価基準、利益相反の検討など、これらの批判的思考ツールは、サプリメント選択に限らず健康関連情報全般の評価に応用可能である。

実践的消費者としてのアプローチには、購入前の情報収集、製品選択の具体的基準、購入後の客観的評価、そして消費者コミュニティの集合知活用など複数の側面が含まれる。これらは単に「良い製品」を見つけるためだけでなく、「自分にとって最適な製品」を特定するためのフレームワークを提供するものである。

将来的な産業・規制動向としては、トレーサビリティ技術の発展、パーソナライズ化の進展、規制調和の進行、消費者権利擁護の強化などが予測される。これらの変化は、市場の透明性と製品品質の全体的向上に寄与すると期待される一方、消費者自身の批判的視点の必要性が減少するわけではない。

最終的に、サプリメント選択における消費者の役割は、単なる「受動的購入者」ではなく「批判的評価者」「情報要求者」としての積極的立場であることが望ましい。このような消費者の集合的行動が、市場の質的向上と情報環境の改善をもたらす重要な推進力となる。

クレアチンを含むサプリメント選択において、「何を選ぶか」という製品選択の問いと同じく重要なのは、「どのように選ぶか」という思考プロセスの問いである。本章で提示した枠組みが、後者の問いに対する実践的アプローチの一助となれば幸いである。

次回の連載では、様々な特殊集団(ベジタリアン、女性アスリート、高齢者など)におけるクレアチン活用の特性と個別化アプローチについて検討する予定である。

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