今回、上・下の2部編成にしています。
上が、“軸となる「言葉や価値観の変化」を考えさせられた話”
下が、“マズローの発達階層第4段階:承認欲求・尊重欲求と第5段階:自己実現欲求が逆転している時が多い話”
としています。早速いきましょう。
<考えさせられた原因の同級生、紹介編>
私は同級生に
障害等級2級の友人がいます。
彼は中学生の時に転校してきました。
1年「1組」のように学年に対して1~3組まで分けられていたのですが、
「障害をもつ子」を集めた学級というのも別にあり、
そこでは特別なカリキュラムが組まれていました。
彼は普通に3組として属する一方、
特別学級にも属していたので、授業は専ら分かれていました。
そして実は、私は彼と同じクラスになったことはなく、
廊下ですれ違って「よぉ!」
と挨拶するだけだったので、中学生の時に私と彼はそこまで深い中ではなかったのです。
「500円玉を想像してください。」
と言うと、そんなにずれは生じないと思います。
しかし「障害」と聞くと、どういう障害をもつ方と出会ってきたかで想像する障害が大きく異なると思います。
彼は知能的な障害でした。
具体的に言えば、例えば、簡単な暗算はすぐにはできません。
時間をかければ正解することもあります。(437+333など。これくらいであれば20秒ほど。)
言語機能は正常で、また、五体満足です。
見た目は普通なので、言われなければ障害者であることはわかりません。
だから仕事もしているし、運転もします。
むしろ、運転に関して言えば、私の人生で出会った人の中では運転が上手な部類でした。
お金の勘定ができず、いろいろなものに対する欲は並にもっていて
制御の必要を感じていないので、普段の生活では明らかに予算オーバーな暮らしをしています。
言われても深く考えることはしないのでなんでも契約するし
広告や営業は表面的に良く見えることが全面に出されることが常なので
良さそうな話はなんでも精査せず食いつきます。
障害等級2級の彼は、
国民年金が全額免除で、
かつ障害基礎年金が月額6万円で2ヶ月に1回、偶数月に振り込まれています。
つまり、偶数月に12万円入るということですね。
もちろんこれに自分のサラリーもあります。
これを頼りにローンもいっぱい組んでいるわけです。
とは言っても20歳にして月6万円のベーシックインカムは凄まじいです。
しかし、彼は、入ったら全額遊びに使います。
日本人が大好きな貯金もしませんし、
使い切ることが使命かのようになくなっていきます。
家が裕福なわけではないのにもかかわらず、です。
私は自分から友達に「遊ぼう」と連絡することは中学生の時以来なくなりました。
気持ちはわからなくもないですが、
まだ20代前半だと、「息抜きにカラオケ行こう」「息抜きにどっか行こう」
というように「息抜き」にと誘われることがあります。
しかし私は普段の問題解決にあたって「息抜きに」などとストレスを感じる生き方はしていないし、そんな息抜きをして時間を過ごすことよりももっと優先順位が高く、楽しいことを解決していきたいと思うのが正直な気持ちです。
そう思っていても彼とは続けていける理由があります。
①自分を馬鹿だと言いながら配慮ができる
②謙遜するがいつも笑顔である
③私の体験していない苦労をしている
④ふとした瞬間に正義感が垣間見える
⑤私ができないこと、知らないことなどを彼がもっている
⑥お互いあまり気を使わないでいい
⑦私が忘れてしまった中学生の頃の話や体験を覚えている
⑧中学生の時より、明らかに難しいことを理解できている
私としては⑤、⑦、⑧がより強い理由に感じます。
一般人は⑧は普通だと思いがちですが、
彼の場合特に⑧は目覚ましいものがあり、感動すら覚えます。
私が知らな過ぎたということもありますが、
当時の能力からは想像ができないのですが
社会保険だの扶養だのの話が彼の口からでてきた時は驚きました。
それもあって、私は国民健康保険、社会保険、国民年金保険等を詳細に勉強するきっかけの一つとなりました。
まだまだたくさんのことを、私は彼から学ばせていただいています。
彼は、“「障害者」であるとは医者から言われるし、それはわかってはいるけど、俺は今普通で、別に障害者ではないとは自分では思っているんだけど…”
という話をよくしていて悩んでいました。
私は“○○は障害者ではないよ。そういう表でしか見れないやつはお前の人生に必要のない人間。医者も同じ。それに、「障害をもっている」って言われるのは一つの才能。現実の法律とか制度とかに即して考えてみたら○○が貰ってる基礎年金だって○○が持ってる稼ぐ才能の一つ。利用できるものは利用しとけ。それに○○いつも笑顔が素敵だしね。それがすべて。(?)”
といったような内容を話しています。
(もちろんここで、お金の出所が税金で~というナンセンスな話は無視します)
私は、彼の人間としてのありのままの生き方を、
彼は、現実での生きにくさや解決策を私に、
頼っています。
そして上の⑦であった通り、彼はよく中学生の頃を覚えています。
しかし、実は私はこれを“中学生からそんなに時が進んでいない”と解釈しています。
(これには彼も同意しています。)
だからこそ、と言ってもいいのかもしれませんが、
“軸となる「言葉や価値観」”
が結構違う(離れている)なぁと気づくことができました。
長くなりましたが、私にとって大きな発見でもあったので、
下巻:<マズローの欲求5段階説の第4段階:承認欲求・尊重欲求と第5段階:自己実現欲求が逆転していくのがスタンダードになるだろうと感じている話>
として続きます。